毎日、新聞に掲載されるテレビ欄。そこにどのような文言が書いてあるかで、視聴率が左右されるという。テレビ局関係者が話す。
「テレビ欄は、基本的にプロデューサーが書きます。構成作家に相談する人もいますね。『2行にまたがって読みづらくならないように』など細心の注意を払っています。『!』が乱発された時期もありましたが、最近は減りましたね。『驚愕』『爆笑』など過剰な文言も、昔と比べれば、少なくなったように思います。
ただ、フジテレビの『ウチくる!?』は、今でも『爆笑』を好みますね。4月27日は“我が家 芸人達が苦情を大暴露 先輩ネプから爆笑助言”、5月4日は“横浜中華 草笛光子 絶品牛ヒレ 水谷豊が爆笑恋人宣言”となっていました。お笑い芸人であるネプチューンの“爆笑助言”は理解できますが、水谷豊の“爆笑恋人宣言”はなんだかよくわかりません(笑)」
新聞の購読者が減っていると言われるが、まだまだテレビ欄を見て、どの番組を見るか決める人は多いだろう。
「『ごきげんよう』(フジテレビ系)に注目すると、テレビ欄と視聴率の相関関係が見えてきます。4月25日は“東ちづる 溺愛ペット話で大興奮”で2.5%。かつてお嫁さんにしたい有名人でNo.1に輝いた東ちづるは、主婦層にはあまり受けないのかもしれない、と分析されます。
4月23日は“モー娘。が順位付けで内乱ぼっ発”で2.7%。昼時の番組でファン層が男性のモー娘。をテレビ欄に持ってくることは無理があったのかもしれません。
一方、5月6日は“原田龍二がドラマ相棒の裏側告白”で5.5%。主婦に人気の相棒の裏話を聞けると思い、チャンネルを合わせたマダムも多かったのでは。もちろん祝日のために数字が上がった面もありますが、前番組『バイキング』の4.2%を超えていますから、明らかに“引き”があった証拠です。
疑問符を付けざるを得ない日もあります。4月21日、“藤あや子のボケに小堺コケ3回”で2.9%に落ち込みました。前番組『バイキング』が4.1%ですから、明らかにチャンネルを合わせる人がいなかった。
その原因は、テレビ欄に影響があったように思えます。なぜなら、視聴者は見る前から藤あや子がボケるとわかっており、ボケの後に小堺一機が3回コケることも織り込み済みだからです。これでは、いくらボケとコケが冴えていても、視聴者は笑えない。
たとえて言うなら、結果を知っているスポーツの録画中継を見るようなもの。“藤あや子のボケに小堺コケ3回”という結果がわかっているため、いつボケるのかばかりに気が行ってしまい、小堺のコケも『あ~、やっぱ3回コケた』と想定の範囲内になってしまうわけです。これでは、ボケた藤あや子と3回もコケた小堺一機が可哀相です」
今日も、テレビ欄に何を書くかで、プロデューサーは頭を悩ませているに違いない。