多すぎては相手に気をつかわせてしまうし、少なすぎては失礼。相手との関係や自分の年齢、立場など、考え出すときりがないお金の相場。自分が贈る立場になった場合の金額や品物の予算の目安を、現代礼法研究所の岸田輝美さんに聞いた。
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お祝いやお悔やみを礼儀として表すのであれば、1万円がひとつの基準です。
人生を支え合うべき親族は、ほぼ1万円以上。慶事・弔事のさまざまな支度を、経済的に支える意味合いもあります。
一方、友人や知人の場合は、相手の喜びや悲しみを共有する印として贈る、いわゆる“気持ち”の金額。儀礼的な1万円と、ちょっと差がある5000円、3000円という金額が多いのは、親しみを寄せる気持ちを表すためです。
こういった基本を踏まえれば、例えば特別に応援したい後輩のお祝いに激励メッセージとともに、相場より多めの金額を包んであげるのはおおいに結構。そこは形式にこだわらず、自分の基準を優先させてよいと思います。
また日本古来の風習で慶事には奇数がよいとされ、1万円、3万円、5000円などの金額がよく使われます。偶数は“割れる”“別れる”を連想させますが、結婚祝いだけは、“2”はペアを、“8”は末広がりを連想させるため、2万円のお祝い金や、8個セットの品物も失礼にあたりません。
※女性セブン2014年6月19日号