高須クリニックの高須克弥院長が世の中のさまざまな話題に提言していくシリーズ企画「かっちゃんに訊け!!」。今回は、AKB48のメンバーが握手会で切りつけられた事件について語ります。
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──AKB48の握手会で、のこぎりを持った男がメンバー2人とスタッフ1人を切りつけるという事件が発生しました。容疑者は「AKBなら誰でも良かった」と話していて、AKB48のファンではなかったようです。
高須:無差別殺人とか通り魔は、いつの時代でもあることで、なかなか防ぎようがない。あくまで一般論として話すけど、動物の集団でも個体数が多くなってくると、急になぜだか仲間を殺すやつが出てくる。生物学的には「集団を保つための自壊作用」みたいなものかもしれない。もちろん「だから今回の事件は仕方ない」とは思わないけど、AKBのビジネスが悪いとか、警備が足りないとか、そういうレベルで防げたことではないような気がするね。ただ、犯人が「話題になりたい」という願望があってやったというのなら、AKBが利用されてしまったとは言えるね。
──たしかに、街中でも無差別殺傷事件は起きるし、それを防ぐのは簡単ではありません。
高須:「通り魔に遭ったから危険だから、街を歩くことは自粛しろ」なんて言われないのと一緒だよ。被害者のかたには申し訳ないけど、今回の事件は死者も出なかったし、被害を最小限に食い止めたって考えることだってできる。
──不幸中の幸いだったということですね。
高須:そう。なのに、みんななぜだかいろんな理屈をこねたがるんだよね。今回の事件とからめて、AKBのビジネスを批判したって何の意味もないよ。ライバルのアイドルグループから刺客が送られてきたんなら話は別だけど(笑い)。
──それはただの抗争事件ですよ!
高須:まあ、そんなことはありえないけどね(笑い)。でも、今回の事件をきっかけに、AKBのファンは団結するといいかもよ。握手会には何千人という男たちが集まっているわけでしょ。その男たちが束になって暴漢と戦えば、警備員なんかよりもずっと強いはずだよ。「できるだけ長く握手したい」とか、「推しメンに俺のことをおぼえてほしい」とか、そんなことばっかり考えてるファンが多いと思うけど、これからはもっと周りに目を配って、怪しいやつを監視するくらいにならないと。「自分の推しメンを守るために握手会に行く」くらいの気持ちだね。
──それこそ昔の親衛隊みたいな。
高須:そう考えると、今回の事件の容疑者は身の危険を感じているかもしれないね。もし拘置所で雑居房に入っていたら、AKBのファンが復讐するために来るかもしれない。懲役刑になったら、夜中に顔に濡れ雑巾をかけられるかもしれないし…。
──シャバからヒットマンが送り込まれるというやつですね。
高須:切られたメンバーのファンだけでなく、AKBのファン全体を敵に回したわけだから。冷静に考えれば、もう生きた心地がしないと思うよ。これから一生、ヒットマンにおびえながら暮らすことになるはずだね(笑い)。
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握手会やAKB48のビジネスモデルと今回の事件は切り離して考えるべきだという高須院長。たしかに、街中で誰とでも握手をしている選挙中の政治家だって襲われる可能性はあるし、ただ単に街を歩いているだけなのに、悲劇に巻き込まれることだってある。「握手会だから危険」というわけではないことは、その通りかもしれない。
【プロフィール】
高須克弥(たかすかつや):1945年愛知県生まれ。医学博士。昭和大学医学部卒業、同大学院医学研究科博士課程修了。大学院在学中から海外へ(イタリアやドイツ)研修に行き、最新の美容外科技術を学ぶ。脂肪吸引手術をはじめ、世界の最新美容外科技術を日本に数多く紹介。
昭和大学医学部形成外科学客員教授。医療法人社団福祉会高須病院理事長。高須クリニック院長。人脈は芸能界、財界、政界と多岐にわたり幅広い。金色有功章、紺綬褒章を受章。著書に『バカにつける薬 ドクター高須の抱腹絶倒・健康術』(新潮OH!文庫)、『私、美人化計画』(祥伝社)、『シミ・しわ・たるみを自分で直す本』(KKベストセラーズ)、『ブスの壁』(新潮社、西原理恵子との共著)、『その健康法では「早死に」する!』(扶桑社)など。最新刊は6月9日発売の『筋と義理を通せば人生はうまくいく』(宝島社)。