フジテレビのカトパンこと加藤綾子アナ(29)は、『めざましテレビ』のほか、火曜と木曜の『バイキング』、『ホンマでっか!?TV』、『僕らの音楽』、『とんねるずのみなさんのおかげでした』『TEPPEN』、『ダイヤモンドグローブ』など、情報番組からバラエティまで幅広く掛け持ち、テレビで見ない日はない。
数字を持っているアイドルアナに番組を持たせればいいという考え方が浸透していて、新人を育てようという風土が希薄になっている。同様の現象は他局でも起こっている。
「TBSでは田中みな実(27)や枡田絵理奈(28)、テレ朝では竹内由恵(28)らに仕事が集中している。“若手を育てなければ人が足りない”という思いは各局共通だが、目先の視聴率欲しさについ人気のある女子アナを使い、結局、“アイドルアナありき”の番組になってしまうのです」(テレビ局関係者)
こうして脚光を一手に浴びる“看板アナ”の陰で、“控え”に回るアナたちの士気は下がる一方だ。
「単発番組のナレーションやイベントの司会など表に出ない仕事を地道にこなしている。しかし、いくら頑張っても番組を持たせてもらえないため、モチベーションは上がらない。看板アナどころか、フジでは『とくダネ!』に菊川怜(36)、TBSは『あさチャン!』に夏目三久などタレントやフリーアナを起用するので、反発は強まる一方です」(同前)
こうした状況から、一歩抜け出したのが日テレだ。水卜麻美アナ(27)の人気急上昇で仕事が集中しているかと思いきや、そうでもないという。
「日テレはフリーキャスターばかりを起用し自前のアナウンサーが育たない悪循環に陥った時期がありました。その結果、30歳前後の実力のある女子アナが不足している。そのため、2012年からは1年目の杉野真実(24)を『世界まる見え! テレビ特捜部』に抜擢。入社2年目の中島芽生(24)を看板番組の『news every.』に起用するなど、新人を積極的に活用しています」(日テレ関係者)
目先の視聴率や話題性欲しさに看板アナばかりを起用するツケは確実に回ってくる。気がつけば“女子アナ消滅”とならないよう、仕事格差の是正が急務だろうが、いまのテレビ局にその余裕があるだろうか……。
※週刊ポスト2014年6月13日号