「恋愛と結婚は別モノ」とは世の習い。相思相愛で結びついたはずのふたりだが、日本維新の会というひとつ屋根の下での生活は2年ともたなかった。ご存じ、結いの党との合併で意見が対立、先月29日に袂を分かった石原慎太郎氏と橋下徹氏である。
離婚の原因はあくまでも自主憲法制定にこだわった石原氏の頑固オヤジぶりにあったとされるが、実は本人も悩みに悩んでいたようだ。
ここに紹介する写真は、遡ること2か月前、本誌カメラマンが衆議院本会議場で撮影したもの。
地方教育行政に関する法律案の質疑応答そっちのけで、石原氏は結いの党との「政策協議基本的合意案」を見ながら熱心に書き写し、手紙をしたためていた。相手は、同党国対委員長の小沢鋭仁氏。
もともと石原氏は、4月前半は合流に前向きな態度を取っていた。4月10日にはテレビ番組で「国会にいる人間は立場は違うとしても、話し合いによって、共同することは共同して作業をしていかないといけない。国家のためだ」と発言していた。
一転、分裂に至るまでの悩み多き2か月間。「国家のため」を超える何があったのだろうか。分裂決定後、「さみしいね。(橋下氏とは)親子みたいに思っていたから」と漏らしていた石原氏。甘酸っぱい恋の終わりのあとには、野党再編というさらなる苦難が待ち受けている。
撮影■太田真三
※週刊ポスト2014年6月20日号