パソコンやタブレット型端末が主力製品の中国のレノボ(中国名=聯想集団)の楊元慶・最高経営責任者(CEO)兼総裁の昨年の年収が2136万ドル(約21億3600万円)と2000万ドルの大台に乗っていたことが分かった。
これは米国企業のCEOの報酬と較べても10位クラスで、日本企業のなかでは2013年度ではトップクラスの日産とトヨタの役員報酬総額をそれぞれ上回っている。北京紙「新京報」が報じた。
楊CEOの2012年の年収は1460万ドル(約14億6000万円)だったので、2013年の年収は一気に46%増の急増となった。この背景には、レノボの昨年の売り上げが絶好調だったことがある。
レノボは昨年、パソコンの売り上げで前年比17.7%増の5500万台と、ヒューレット・パッカード(HP)を抜き、一気に世界トップの座に踊り出た。これは楊CEOが昨年を「大躍進の1年」ととらえて、長期特別奨励金制度を打ち出したことが大きい。
これによって、楊CEOの年収も倍増したわけで、その内訳は通常の給料は128万3000ドルだったのに対して、長期特別報奨金が1264万7000ドルで、通常のボーナスも715万9000ドルと、特別報酬が大部分を占めている。
レノボはもともと中国の会社だったが、2005年に米IBMのパソコン部門を買収してから売り上げが急激に上昇。楊CEOの年収も2005年には前年比の約4倍増の280万5000ドルと急増。さらに2011年には1421万8000ドルと1000万ドルの大台を超えた。
2013年の米企業CEOの年収トップはデータベースソフトをはじめとする大手ビジネスソフトウェア企業オラクル・コーポレーションの共同設立者で、CEOでもあるラリー・エリソン氏で、7840万ドル。10位がアメリカン・エクスプレスCEOのケネス・シェノルト氏の2170万ドルで、楊CEOとほぼ同じ。
日本企業トップは2012年度の年収が9億8800万円だった日産のカルロス・ゴーンCEOとみられるが、ゴーン氏の2013年度の年収は24日の株主総会で明らかになる見通しで、10億円超えは確実とみられている。
ネット上の書き込みでは「中国の貧富の格差はあまりにも不合理。農民は1日12時間1か月働いても2000元(約3万6000円)がやっと。これでは習近平国家主席が強調する『中国の夢』などは全くの幻想だ」などと楊CEOの高給ぶりを批判する内容がほとんどだ。