アニマル柄のシャツを身にまとい、ディープな大阪の商店街を練り歩くのは全員60歳超のアイドルユニット「オバチャーン」。すでにラップとレゲエのCD2枚をリリース、一部で密かな人気を呼んでいるこのコテコテ関西熟女7人に、連日新聞紙面を賑わす集団的自衛権について聞いてみた。
「簡単なことやで。自分らと仲良うしてる国に何かあったら、応援しに行ったるっていう話やんか」
意外や意外、核心に迫るお話が。さすが歴戦の強者、侮りがたし……と思ったのもつかの間、「しっかし、あたし消費税8%も気にくわんわ~」「そうや! そうや!」(全員)
──あの~、集団的自衛権の話なんですけど……。
「いや、これだけは言わしてや! 5%と8%では値段が一桁違うねんで! 600円で済んでたもんが700円にポンッやで」
どうにも収拾がつかなくなってきたので、そそくさと帰り支度をはじめていると、「なんや、もう帰るんかいな。私らが抗議したるさかい、ポストさんの顔で安倍さんに会わせてや~」。
安倍晋三総理、こんなオバちゃんたちが相手だということ、ゆめゆめお忘れなきよう。
◆オバチャーン:2012年結成の大阪発のコンセプトアイドル集団。メンバーは最大47人だが、精鋭7人はAKB48の神セブンならぬ「仏セブン」と呼ばれる。ラップ調『オバチャーンのテーマ』でCDデビュー後、レゲエ調『オバレゲエ』もリリース。
撮影■藤本和典
※週刊ポスト2014年6月20日号