元AKB48でアパレル会社社長の川崎希(26才)と夫でモデルのアレクサンダー(31才)夫妻。ふたりに何も語らせぬまま、「(アレクサンダーを指して)この1、2週間のうちに浮気したね…。ズバリ(妻が)31、32才のときに離婚しそうです。嫌なら小遣いを減らしたほうがいい」と言い切り、仰天させたこの男性は、東京都荒川区・南千住にある喫茶店『パーラーオレンジ』のマスター・室井健助さん(58才)。収録の1週間前にアレクサンダーの浮気が発覚したばかりだと、夫妻は驚く。
人気バラエティー番組『おしかけスピリチュアル』(テレビ東京系)で、その様子が放送された翌日、店の前には鑑定を希望する人の行列ができ、またたく間に来年3月末まで予約がいっぱいになっているという。これは行かねばと、40才♀・2人の子持ちの記者が電車に飛び乗った。
都電が走り、下町情緒が残る街に溶け込むレトロな門構えの喫茶店。入り口には懐かしい食品サンプルが並ぶ。店に入ると、カウンターの女性が元気に出迎えてくれた。
そして、いちばん奥の席では、白シャツにピンクのネクタイを締めた男性が、向かいの女性の手に触れて、熱心に話している。その男性こそが室井さん。巷でいう霊能者はどっしり恰幅のいいタイプが多いが、室井さんはすらりとしていて姿勢もよい。黒々とした髪に口ひげをたくわえ、一見するとかなりのこわ面。しかし、しゃべっていると、調子が狂うくらいまじめで穏やかだ。
驚くのは、相談者が何も話さないうちに、室井さんのほうから、その人の抱える問題について語り始めること。記者が待っている間、霊視を受けていたあの女性は、肺にがんがあり、肝臓に転移していることを指摘されていた。聞けば、男性は右手、女性は左手を霊視するという。
「実はすれ違っただけ、電話を受けただけ、目の前に座っただけでも、その人の悩みがわかります。どう見えるか? テレビといっしょ。映像が見えるんです」
そう言って、室井さんはいきなり目の前の本誌記者の霊視を始めた。
「あなた、水分摂らないから尿の色が濃いでしょ。トイレにあまりいかないし、血管が詰まっているよ。くも膜下出血に注意しないと。あ、子宮筋腫もあるし内膜症も注意」
驚きのひと言だ。実際、動脈硬化予備軍であることは、健康診断でも指摘されていた。2か月前には婦人科で子宮筋腫も見つかり、注意するように言われたばかりだった。おまけにトイレは1日2回なんて日もあるほど。おしっこの色まで見透かされ、恥ずかしいやら驚くやら。そのほか、育った家庭環境やら夫の性格やら、次から次へと当てられ、絶句の連続。
もちろん、言い当てるだけではなく、飲むべき水分量や、筋力をつけて、低体温を改善するよう、アドバイスも。おまけに浮遊霊の除霊まで!
ここまで至れり尽くせりなのに、鑑定料そのものは無料というのには、室井さんの強いこだわりがある。
「喫茶店をやっているので、食事してくれた人に鑑定することにしているんです。もともと、学生や年金生活者のような、お金のうえでの弱者の役に立ちたいと思って始めたこと。800円程度のお食事代でお腹が満たされて、悩みも解決できたら、それで幸せだと思ったんです」
有名になったことで、いろんな儲け話を持ちかけられるようになったが、すべて断っているそうだ。先日は、携帯サイトで鑑定しないかという誘いがあり、かなり大きな額の報酬を提示されたものの、その場で断ったのだとか。
「これを受けたら、“今までやってきたことは何だったの?”ってなっちゃうでしょう。よく、“一銭の得にもならないのに、なぜやっているの?”と聞かれるんですが、その発想が貧しいと思うんです。お金のためじゃない。人がお金に使われちゃだめ、お金は人が使うものなんですから。ここに来るのは人生を悲観した自殺願望者や娘を殺された親、不治の病と闘う人たち。北海道から(鹿児島県の)奄美大島まで、1か月で500人は来ます。そんな人からお金をとれませんよ」
テレビに出る前から、客の中には政財界の重鎮もいるし経済界の億万長者もいる。芸能人も多いが、等しく誰からも報酬を受け取ることはないという。
※女性セブン2014年6月26日号