いよいよサッカーW杯ブラジル大会が幕を明けた。日本代表がどこまで躍進できるかに注目が集まる一方で、ネットではもう一つの戦いに熱視線が注がれている。
それは日本代表エースの座をめぐって対立する本田圭佑ファンと香川真司ファンの絶対に負けられない戦いである。本田信者(ホンシン)、香川信者(カガシン)と呼ばれる両者は、「本田こそ日本代表に欠かせない存在。香川は邪魔なだけ」、「いや香川こそトップ下の適任者。そこに居座る本田こそ日本代表の癌」などと、お互いをディスる(悪口を言う)のが当たり前になっている。
ここまで溝が深くなってしまった原因の一端として、就任当初からトップ下・本田、左サイド・香川というスタメンを固定させたザッケローニ監督の存在が大きいだろう。
当時所属していたドルトムントで“不動のトップ下”として輝きを放っていた香川ではなく、本田を中心としたチーム作りを選んだザッケローニ。得意とするポジションでプレーさせてもらえない香川と、カガシンにとっては「我が物顔で傲岸不遜にプレーする」ように見える本田の構造が、信者の心に火をつけた感は否めない。そのためカガシンは、ザッケローニ監督を叩く傾向にあるのも特徴だ。
今シーズンは、本田、香川ともに不調なシーズンだっただけに、苛烈かつ幼稚を極めた罵倒合戦。
「エロチャット真司は0ゴール! 本田は名門ミランで1ゴール(カップ戦除く)! 本田>香川、はい論破~」とホンシンが言えば、「香川はルーニーと仲が良く、チームメイトからの信頼も厚い。カカに無視されて、チーム内で孤立する金髪ゴリラは対スポンサー要員」などとカガシンもやり返す。
もはや、選手としての特徴やスキルではなく、パーソナルな部分を揶揄しては叩くという醜い争いは、「焼き豚VSサカ豚」(野球ファンVSサッカーファンの不毛な罵倒合戦)を彷彿とさせるほどだ。
現在、病気疑惑のある本田を揶揄して、ここぞとばかりにホンシンを追い込むカガシン。本田の低調なパフォーマンスが続けば、W杯期間中は過去最大のホンシン&カガシンの抗争が見られるかもしれない。