「これ一体誰なの?」と謎の美女の表紙が話題をよんでいる50代以上の女性をターゲットにした新雑誌『octo∞』(オクトアクティブエイジング)。この表紙写真の女性、実は1964年公開の映画『月曜日のユカ』出演時の加賀まりこ(当時20才!)なのだ。
「もう一度、自分デビュー!」をキーワードとするこの雑誌では、産婦人科医で性科学者の宋美玄(ソン ミヒョン)さんが、50代女性の“更年期”と“性”について解説している。「セックスでキレイになる」は本当なのか?
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日本人女性の閉経の平均年齢は50.5才。ちょうどocto世代ですね。更年期は、女性ホルモンの分泌がガクッと減って、体にさまざまな症状が起こりやすい時期で、閉経前後の数年間を指します。
さて、この更年期。個人差はありますが、のぼせやほてり、ホットフラッシュなど更年期障害がひどくて日常生活に支障をきたすことは確かにあります。
女性ホルモンには、感情の安定や妊娠の準備、女性らしい丸みを帯びた体づくり、心臓や血管の病気にかかりにくくしたり、皮膚のハリや弾力を保つ働きがあります。
でも、だからといって、「女性ホルモンが減る」→「枯れている」→「女でなくなる」と考えるのは大きな間違い。実際、50代の患者さんによく「更年期障害にはどれくらいの頻度でセックスすればいいんでしょうか?」と聞かれます。
はっきり言います。セックスをたくさんしても、あまりしなくても、更年期は普通にきます。セックスの頻度や回数、満足度と更年期はまったく関係はありません。
恋をすれば女性ホルモンがアップしてキレイになる。更年期を過ぎた女性がイケメン俳優にハマったら生理が復活した。…これらもすべて完全な都市伝説です。
つまり、女性ホルモンは、確かに女性らしさと関係する肌や感情に影響するけれど、感情はホルモンの増減に影響しないんです。
なのになぜ、女性誌は女性ホルモンとセックスや恋愛とを結びつけ、世の中の女性を焦らせ、追い詰めるのか。淡々と働いてくれる女性ホルモンに失礼な話です。
もう一度言います。
更年期だ、閉経だ、女として現役じゃなくなるのはイヤだ…などと、女性ホルモンの眉唾ネタに振り回され、無理してセックスしなくていいんです! したい人はすればいいし、したくない人はしなくていい。だいたい、セックスと女性ホルモンの分泌を結びつける発想自体、ある意味セクハラです。