最近の高齢者は若々しいと言われるにも関わらず、実際には無条件で年寄扱いされて辟易している当事者が少なくない。スマホに機種変更しようとショップへ行けば、高齢者用のガラケーを勧められ、飲食店では頼んでいないのに量を少なめにされる。こういった決めつけで勝手に「老人」に仕立てられることに怒っている人たちの声をお届けする。
【カラオケで「演歌でしょ?」】
68歳の元会社員が、町会の飲みの打ち上げでカラオケに行った時のこと。
「僕が大好きなローリング・ストーンズやビートルズを入れると若いヤツラが驚いてこういうんです。“○○さん、僕らに合わせて無理しないでいいっス”って。明らかに“ジジイは演歌を歌うもんだ”って決めつけですよね。俺はミック・ジャガーやポール・マッカートニーより年下なんだぞ!」
【何が何でもボケ扱い】
歳を取ると固有名詞が出にくくなってくるもの。特に最近のアイドルの名前なんて、興味すらないので覚えられるはずもない。
「なのに、家族は鬼の首をとったかのようにツッコミを入れてくる」とうなだれるのは67歳の元会社員だ。
「こないだなんて、AKB48の大島優子の名前を“ええと、あの、なんだ……”といいよどんだだけで、家族から“ボケたんじゃないの”“病院行ったほうがいいよ”と非難の嵐です。最近じゃ“手先を使ったほうがボケ防止になる”とかいわれて、皿洗いまでやらされる始末で……」
※週刊ポスト2014年6月20日号