ここ数年、増加傾向の熱中症。気温が上昇する6月頃から発生し、7月、8月がピーク。毎年恒例の季節病といえる。昭和大学病院救命救急センター長の三宅康史さんはこう語る。
「人は生きている限り熱(=エネルギー)を作り続けています。その熱を汗の気化熱などで体の表面から放出して体温を36~37℃にキープしています。
しかし、気温が上がると熱が外気へ逃げにくくなります。さらに、体内の水分量が減少すると、体表への血流が低下し、汗をかいて熱を放出できなくなり、体温調節がうまく働かず熱中症になるのです」
熱中症はスポーツをする人や、屋外で働く男性に多く見られるが、高齢者は日常生活での発生に注意が必要だ。
「特に注意してほしいのは、急に暑くなる梅雨の合間や梅雨明け直後です。高齢者は、猛暑日と熱帯夜が続いた4日目くらいから熱中症の発生が急激に増えています」(三宅さん)
また、熊本医療センター救命救急センター医長・原田正公さんは、たとえ猛暑日でなくとも、充分な水分補給の必要性を説く。
「熱中症を予防するには、熱中症になりやすい環境を避けて生活することが大切です。湿度が高く蒸し暑い日本の夏は熱中症になりやすい環境といえます。冷夏であっても油断禁物。こまめに水分補給しながら、汗をかく習慣を身につけることが大切です」
※女性セブン2014年6月26日号