サッカーW杯ブラジル大会グループリーグ初戦でコートジボワールに1-2で敗れた日本代表。決勝トーナメントに進出するためには、ギリシャ戦は是が非でも勝ち点3が必要となる。そのためにはどんな作戦が有効なのか。その一つがワンパス・カウンターで状況を一変させる「守備的な4-5-1」の布陣だ。
ディフェンスを売りにするギリシャに対して、あえてこちらもディフェンスを固めるという「逆転の発想」だ。根拠はある。
ギリシャの「攻め気」を逆手にとり、日本がディフェンシブに試合を運ぶことで最終ラインを上げさせるのが狙いだ。スポーツジャーナリストの財徳健治氏が語る。
「ギリシャのDFは、引いて守りを固めると強いが、スピードに欠けるので前に出てくると背後のスペースが弱点になる」
そのため、日本はかなり有利になる。具体的にはSBに内田篤人ではなく、守備力があり身長の高い酒井宏樹を起用。ボランチには遠藤保仁や長谷部誠ではなく、“守備職人”の異名をとる山口蛍と、運動量の豊富な青山敏弘を据える。いずれもボール奪取を得意とする選手だ。この布陣で守備を固め、ギリシャのお株を奪うカウンター攻撃で得点を量産する。
その際、ポイントになるのは青山と大久保嘉人のホットラインだ。これは、強化試合のザンビア戦のロスタイムに、決勝点を決めたパターンが参考になる。
「青山のロングフィードパスから、大久保がダイアゴナルラン(ゴールに向かって斜めに走る動き)でシュートを決めた。この動きは香川真司も得意としているので、選択肢は反対サイドにもある。この攻撃パターンの場合、ワントップは柿谷曜一朗ではなく、ポストプレーで相手DFを引き付ける動きに定評のある大迫勇也が合っている」(サッカー誌記者)
※週刊ポスト2014年6月27日号