映画や小説の世界ではお馴染みの「スパイ」だが、実は意外と身近にもいるという。そして、日本にいるスパイは必ずしも外国人ではなく、日本人というケースも多々ある。
「KGBのスパイの手先が日本人の大学教授だったということもよくあります。例えば、ロシア文化が好きで、そこで知り合ったロシア人に取り込まれ、情報を運ぶなんてこともある。彼らの結婚資金から子供の養育費用まで全部、KGBが出しているなんてこともありますよ」(元警視庁刑事の北芝健さん)
諜報で得た情報は、意外にもアナログな手法で受け渡しされているのが実情だ。
「ネットなどデジタルでやりとりをするとすべて盗聴されてしまう。その点、アナログは慎重に保管すれば、機械で盗聴、盗撮される危険は避けられる。機密情報をビニール袋に入れて、穴を掘って隠すという古典的な方法をとることもあるんです」(北芝さん)
さまざまな場所に出没するスパイ。では、それを見破るにはどうしたらいいのだろうか。外交ジャーナリストで英国諜報部員を主人公にしたインテリジェンス小説『ウルトラ・ダラー』(新潮社)の著者である手嶋龍一さんは、こう話す。
「情報のプロは一見ごく普通の人に見えますよ。特に英国の要員は品がよくて聞き上手。まあ素人では見分けられないでしょう」
すご腕ほどごくごく普通の容姿をしているというし、見抜くのはかなり難しそうだが、常にどこかでスパイは活動している、というのも事実なのかもしれない。
※女性セブン2014年6月26日号