「サッカーは国家間の代理戦争」と言われる。勝つためなら何でもありとばかりに、ピッチ内外で謀略や妨害工作が繰り広げられる。当事者は「見事な情報戦」のつもりかもしれないが、さすがにやることがセコすぎた。
W杯に出場中の韓国が、開幕直前に行なわれた国際親善試合(5月28日・チュニジア戦と、今月9日・ガーナ戦)に、「ニセ背番号」で臨んだのだ。
〈予選相手国の視察員たちに対し、韓国の戦力をできるだけ分かりにくくしようということ〉(朝鮮日報日本語版より)というが、20年前ならまだしも、情報戦が進化したこの時代に効果ははなはだ疑問。韓国の対外イメージを落としてしまっただけではないか。
もともと、韓国はそのテの謀略好きと見られている。2002年の日韓W杯のイタリア戦、スペイン戦では、韓国選手のラフプレーがノーホイッスルで何度も黙認され、決定的なゴールが取り消されるという「疑惑の判定」が相次いだ。当時のFIFA副会長で、今月4日投開票のソウル市長選に出馬した鄭夢準氏が選挙演説で審判買収への関与をほのめかしたこともあり、現在でも世界から疑いの目が向けられている。
当時のイタリア代表の韓国での滞在先だったホテルは劣悪な環境で「マッサージ室に蛇が出てきた」という話まであるほど。
※週刊ポスト2014年6月27日号