前半戦を終えた今年の株式市場は、一進一退の状況のまま先の読めない展開が続いている。市場が勢いに乗りきらないこの状況は、これから権利確定日を迎える「株主優待銘柄」を仕込む絶好の局面。
そこで、現金をほとんど使わずに株主優待だけで生活するという「優待ライフ」が話題になり、いまやメディアに引っ張りだこの投資家・桐谷広人さんが厳選した7月、8月に権利確定日を迎える「黄金優待銘柄」を紹介しよう。
具体的にこの夏のオススメ優待銘柄はどのようなものなのか。株主優待を知り尽くした桐谷さんに、株主優待の旨味を表わす「優待利回り」や、株が割安かどうかの指標となるPBR(株価純資産倍率)などの基準をもとに優待銘柄を選定してもらった。
まず7月に権利確定を迎える銘柄の中でも桐谷さんイチ押しが、ながの東急百貨店(9829)だ。
「1000円以上の買い物で使える100円相当の優待券が50枚ももらえます。特に嬉しいのが、この優待券は長野の店舗だけでなく、全国の東急百貨店で使えるということです」(桐谷さん。以下「」内同)
次に勧めるのが、ガーデニング用品などを販売するタカショー(7590)だ。
「100株からオリジナルカレンダーをもらえる優待があり、商品カタログからガーデニンググッズも割引価格で購入できます。私のように土いじりが好きな人には嬉しい特典で、3.5%という高い配当利回りと合わせて魅力的な銘柄ですね」
ほかにも、映画好きなら招待券がもらえる東京楽天地(8842)、運転機会の多い人なら駐車料金が割引される日本駐車場開発(2353)など特色ある優待が目白押しだ。
さらに8月に権利確定日を迎える株に目を向けると、優待銘柄の「優等生」がそろい踏みだ。桐谷さんが真っ先に勧めるのは、家電量販店大手のビックカメラ(3048)。
「年間3000円分の優待券がもらえるのですが、ビックカメラには、家電だけでなく薬やお酒、ゴルフ用品もあるので使い勝手が非常にいいんです。さらに、長期保有すると最大5000円まで優待が増えていくのもおいしいですね」
その対抗馬が、世のサラリーマンの胃袋を支える牛丼屋の老舗・吉野家ホールディングス(9861)。100株の保有で、系列店舗で使えるチケット3000円分がもらえる。
「そんなに牛丼ばっかり食えるか!」という方もご安心あれ。優待券は吉野家が経営する牛丼屋以外の店舗でも使用可能なのだ。
「吉野家は讃岐うどんのチェーン店『はなまるうどん』のほか、蕎麦屋や寿司屋も展開しています。いろいろな店で優待券が使えるので、中高年や女性にも人気がある銘柄です」
※週刊ポスト2014年6月27日号