綾小路きみまろが、爆笑夫婦ネタを五・七・五の川柳にまとめた新刊が発売された。ありそうでなかった川柳+ライブの決定版、題して『きみまろ「夫婦川柳」傑作選』。その中に収録されている、「夫婦バトル」編の傑作を紹介しよう。
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「女房に なついた犬に 吠えられて」
皆様、男の幸せとは何なのでしょうか? 会社のために手となり、足となり、クビになり……。会社につながれ、女房につながれ、子供につながれ、ローンにつながれ、最後は点滴につながれる……。家に帰れば、女房になついた犬に吠えられます。
「寝床別 風呂も別々 墓も別」
今や、風呂もベッドも別々で、「若い人たちって結婚しても別姓を望む女性が増えてるみたい。羨ましいわ」。苗字まで別にしたいと言い出しかねない奥様。「苗字は無理だろ」「じゃあ、お墓は別々にしてね」。
あ~儚い(墓ない)人生なのです! 次は私の定番ネタです。
「『何食べる?』 聞くだけ聞いて いつものオカズ」
昔はご主人のために美味しい料理を作っていました。あれから40年! 「毎晩作るのって、メニューの工夫もいるし、大変なのよ。あなたの晩ごはん作るために生きてるんじゃないんだからね!」「ごめん! でも、腹ペコで死にそうなんだ」「わかった、作るわよ。何食べたいの? 肉? 魚? 今日は買ってないの」。聞くだけ聞いて、作ってくれるのは冷蔵庫の残り物での手抜き料理です。
「妻が上 口も態度も 体重も」
「この料理の一体どこにメニューの工夫があるんだよ!」「工夫? してるわよ。できるだけ包丁を使わず、洗い物も出ない工夫!」。言い合いでは奥様には敵いません。
※週刊ポスト2014年7月4日号