運転手が集まれば決まって出るのが、「自分が乗せたトンデモ客」の話題。ベテラン運転手たちが赤裸々に語る困った方々の実態とは──。
法人Aさん(60代、運転手歴30年):この仕事をやっていて、一番困るのは酔っ払い。何かとイチャモンをつけてきて揉めるし、ゲロを吐かれたらその時点で営業終了になる。原則「乗車拒否」はできないが、泥酔客は断われることになっている。
法人Bさん(50代、同23年):熟睡されるのも困るよね。到着してから、大声で声をかけても起きない。揺り起こしたいけど、我々はお客さんには絶対に手を触れることができないんです。
理由は盗難を疑われるなど、トラブルになることが多いから。乗る前に別のところで財布を落としているのに、運転手が盗んだと疑われることもあります。
個人Cさん(60代、同25年):女性は絶対触ってはいけない。セクハラだといわれたらアウトです。近所の交番にいるお巡りさんに押し付けるしかない。でも時間を食っちゃって、その日は全然仕事にならないから大迷惑ですよ。
法人Dさん(50代、同15年):そうそう。酔っ払いといえば、この前深夜3時過ぎの銀座で泥酔した某野球選手と、ママさん風の女性を乗せたよ。ガタイのいい超有名選手。
すぐシートに寝転がって、それをママさんが介抱するかと思いきや、いきなり後部座席で激しく乳繰り始めた。その後は女性の家まで直行、2人で消えていったよ。結婚もしている超有名選手なんだけど……。
B:『週刊ポスト』には格好のネタだね(笑い)。確かに夜は酔っているからか、後ろでエッチな行為を始める人が多い。
この間なんか、カップルが大人しく座っているかと思ったら、手は女性のスカートの中へ……。隠れてやっているつもりなんだろうけど、運転手からは後部座席は全部見えていますから(笑い)。
C:最近は車載カメラがついていて、音もバッチリ録音されている。映像を運転手が個人的に見ることはないが、事故などのトラブルになったりした時は、警察官や弁護士が見ることもある。有名人は特に気をつけたほうがいいと思うけど。
A:逆に、いい印象の有名人はいる? 俺はユーミン(松任谷由実)かな。大ファンだからサインをお願いしたら、嫌な顔一つせず書いてくれたよ。
D:運転手仲間で評判がいいのは、ちょっと地味だけど、お笑い芸人のいとうあさこ。愛想がよくて、運転手にも敬語で「お疲れ様です」なんていってくれる。こういうお客さんは嬉しい。
※週刊ポスト2014年7月4日号