東京都議会で巻き起こった、みんなの党・塩村文夏氏(35才)に対する「セクハラ野次」問題は、自民党都議・鈴木章浩氏(51才)が、塩村氏に直接頭を下げて謝罪。塩村氏は、
「ひとつの区切りがついたような気はしますが、他にも野次を言っていた人はいるので、このまま終わってしまうことには不安感があります」
と、話している。
しかし、議会の場で慣習的に野次が存在しているのも事実だ。政治評論家の板垣英憲氏はこう話す。
「国会でも地方議会でも、野次が飛び交う場面は多くあります。合いの手を入れて笑いを誘う人もいれば、相手を誹謗中傷する人までさまざまです。特に、都議会の野次は、国会などに比べて傍聴する人が少なく、“監視の目”がない分、より辛辣になる傾向があるんです」
今回の問題でテレビ局は、野次を飛ばした“犯人”が鈴木氏という確信を持っていながら、会見が開かれるまで報じようとはしなかった。上智大学教授(メディア論)の碓井広義氏は、「原因は報道番組の体質にある」と分析する。
「横並び主義の各テレビ局は、自分たちが先頭を切って報道しようという考えに欠ける。“もし誤報だったら”というリスクヘッジばかりが先走ってしまうんです。発表や会見が行われ、安全地帯に入ったら、一斉に報道合戦を始め、反論の余地のなくなった人間を叩く。茶番劇と言われても仕方ありません。さらに、今回の報道姿勢には“たかが野次”といったテレビ局側の認識の甘さも感じます」
※女性セブン2014年7月10日号