「主婦って気楽でいいよな」などと旦那は言うけれど、朝から晩まで土日もなく働いているのに給料はゼロ。これは決して楽なことではない。それなのに安倍首相は外国人家事労働者を増やすという。「家事労働者」にお給料が払われるんなら、主婦にもちゃんと払っていただきましょう! 試算してみたら、旦那もビックリの結果に。
内閣府の調査(2013年)で家事や買い物、育児などの「無償労働」を金額に換算(もし外へ出て働いていれば稼げたはずのお金)したところ総額約138兆5000億円。その8割を女性が占める。調査対象となった女性(15才以上)の人口(約5746万人)で割ると、1人当たりの家事労働による年収は約192万8000円となった。
ファイナンシャルプランナーの中村芳子さんは「200万円なんてとんでもない。家事労働をお金に換算するととんでもない額になります」と言う。
主婦の仕事は多岐にわたる。食器洗いや掃除、洗濯、ゴミ出し、アイロンがけ、裁縫、風呂掃除、食材の買い出し、食事・弁当作りといった家政婦業。子供の宿題を見る家庭教師業、育児はベビーシッター業、子供や夫の送り迎えはタクシー運転手業、義理の家族の世話は介護ヘルパー業など、ありとあらゆるサービスを提供していることになる。
主婦たちの目を輝かせるような試算をしているのは、米国の求人・求職情報提供会社「salary.com」だ。同社は毎年、母の日にちなみ専業主婦の賃金を試算している。今年の専業主婦の年収はなんと去年よりも5000ドル(約50万5000円)アップの11万8905ドル(約1200万円)!
日本ではどうか。中村さんはこう語る。
「主婦がやっている家事労働を家政婦さんにお願いすれば、簡単なお掃除でも1時間あたり1800円。ベビーシッターなら大体2000円かかります。こうした金額をもとに主婦の仕事を平均時給換算すると2500円くらいになる。
単純労働か頭脳を必要とする高度労働かでも時給は違ってきます。お弁当作りでも、材料もそろっていて決まったレシピを作るなら時給1000円前後。栄養バランスを考えて食材からメニューを考えるなら、時給3000円かそれ以上になる場合もある」
「食器洗いや掃除、洗濯などの単純労働を時給1000円、家計のやりくりや栄養バランスが求められる買い出し・食事作り、義理の家族の世話などの高度労働を時給3000円とした場合、日給はモデルケースで2万8400円になります。
8時間を超えた労働時間はサラリーマンでいう、残業割増や深夜割増にあたるので3割増で計算する。モデルケースでは6時から16時までの間に7.5時間労働しているので、16時以降は残業と見なしています。休日ならば当然休日出勤と同様、割増料金になる。こうして計算すると、主婦の年収はざっと1200万円近くになるのです」
主婦の家事労働を正当に評価するのが経済成長の一歩となる気がするのだが…いかがでしょうか。
※女性セブン2014年7月10日号