涙にはストレス解消の効果があるといわれるが、泣ける“ツボ”は人それぞれ。今回、45才の飲食業で働く女性が離婚して別れた夫に似てきた息子との切ないエピソードをご紹介。
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浮気とDVが原因で離婚。シングルマザーになりました。ところが息子が、大きくなるにつれて夫に似てきたんです。息子を見るたびに腹が立つようになり、他愛もないことで叱ったり、思わず手が出てしまうことも…。叱った後は罪悪感が募り、それを、お酒でごまかしていました。
ある時、償いのつもりで、息子の誕生日に、好物をたくさん作りました。とはいえ、家計に余裕がないので、ケーキまでは準備できませんでした。すると、息子から「ケーキは?」と聞かれ、痛いところをつかれた私は逆ギレ。せっかくのお祝いを自らダメにしてしまいました。
そんなひどいことばかりしているのに、勝手なもので、息子に彼女ができると穏やかではいられなくなりました。せっかくのデートも、「荷物が届くから」と嘘をついて留守番をさせ、出かけさせない嫌がらせをしてしまいました。それでまた後悔して酒を煽るの繰り返し…。
息子が一度、家の酒を全て処分してしまったことがありました。私も意地になってすぐに酒を購入し、しばらく息子の家事を放棄したことも。
このままではお互いダメになると思い、「仕送りをするから、大学に入ったら家を出ていきなさい」と告げました。喜ぶかと思いきや、意外にも息子は、「嫌だ、心配で出ていけない」と拒否。そこで、私が今まで息子に冷たく当たってしまった理由を打ち明け、「こんな母親と一緒にいるとあなたまでダメになるから」と諭すと、「母さんは、いい母さんだよ。誕生日は祝ってくれるし、ちゃんと育ててくれたじゃん」と思わぬ一言。
私は今までの仕打ちを改めて恥ずかしく思い、良い息子に育ってくれたことに、感謝しました。よく見ると、息子は元夫と全然似ていません。勝手に重ねていたのだとわかると、憑きものが落ちたような気がしました。これからは、息子にたっぷり愛情を注ぎたいと思います。
※女性セブン2014年7月10日号