ビジネス

安倍首相 憲法改正実現のため消費税再引き上げ凍結もあるか

 消費増税の影響で、今年夏以降も景気は悪化し続ける、と分析するのは、経済アナリストの森永卓郎氏だ。その一方で、森永氏は「年末から一気に景気が引き上げられる」とも予測している。どういうことか、森永氏が解説する。

 * * *
 政府が予算執行前倒しなどの小細工をしても、私は、7~9月期の景気回復の実現にはとても結びつかないと見ています。政府や日銀は7~9月期の動向を確認してから本格的な景気対策を打ち出すという構えを見せています。

 問題は、より正確な7~9月期のGDP(国内総生産)2次速報値が出るのは12月なので、少なくともそれを確認するまでは、本格的な景気対策を打ち出すことができない、ということです。したがって、12月までは日本の株価はズルズル下がり続け、日経平均株価は1万2000円ぐらいまで下がる可能性もあると考えています。

 今のところ、日銀・黒田東彦総裁による大規模金融緩和「黒田バズーカ第2弾」も早くて12月になりそうだと見ています。ただし、その規模は、第1弾を大きく上回る可能性がある。時を合わせて、大規模な財政出動も打ち出されるでしょう。

 また、安倍晋三総理の悲願は憲法改正であり、そのためにはどうしても高い支持率が必要となります。安倍総理は、7~9月期のGDP数値を見て、消費税10%への引き上げを最終決定するとしていますが、その数値が落ち込んでいたら、増税に舵を切る根拠が揺らぎます。逆に、もしそこで増税取り止めの決断をすれば、支持率は大きく回復するはずです。

 前回を超える日銀と政府による大規模な金融緩和と財政出動、それに消費税の再引き上げ凍結も加わった“トリプル政策”が打ち出されれば、日本の景気は年末から一気に引き上げられることになる。その際には、日本株も一気に反転上昇局面となり、アベノミクス第1幕と同じような急上昇相場が考えられるので、直ちに「買い」です。一気にバブル化する可能性もあり、来年には日経平均が2万円に乗ることも十分考えられそうです。

※マネーポスト2014年夏号

関連キーワード

関連記事

トピックス

天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン