総額160億円ルーキー・田中将大(25・ヤンキース)の大活躍とは対照的に、8年前に60億円の値がついた松坂大輔(33・メッツ)が選手人生の岐路に立たされている。6月に先発ローテ入りし、3勝1敗、防御率は2.68(6月25日現在)。成績は合格点に見えるが、チーム内の評価は驚くほど低い。
「2イニングに1つ以上の四死球ペースという制球力の悪さや投球間隔の長さは、監督だけでなく選手からも不評。特に体調管理のまずさから先発して1イニングしか投げられずに降板した試合(15日)で信頼を失った」(メッツ番記者)
それでも先発ローテにいられるのはメッツの駒不足が理由だが、7月初めには離脱していた若手先発投手が戻ってくる。その時には、ローテ落ちどころか戦力外の可能性が濃厚というのだ。
「早くも優勝戦線から脱落したメッツは、来季に照準を合わせて若手の起用を優先する方針に切り替えている。7月末のトレード期限までに松坂獲得に手を挙げる球団を探している」(同前)
だが、球威が衰えたベテランに興味を示すチームがMLBに現われるとは考えにくい。そこで浮上しているのが日本球界への復帰説だ。日米両国で活動する代理人の事務所関係者が語る。
「昨オフから誘っているといわれる横浜DeNAに加え、松坂が兄貴分と慕うデニー友利が投手コーチを務める中日も争奪戦に参加する可能性がある。日本なら球数制限が緩いから、のびのびと投げられるだろう」
さて、松坂は選手生命を懸けてどんな“勝負球”を投げ込むか。
※週刊ポスト2014年7月11日号