妻にしてみれば、どんなに謝られでも、決して水に流すことなどできないのが、夫の浮気だ。結婚15年目のA子さん(42才)は10年前の出来事をこう振り返る。
「夫の入浴中に夫の携帯にメールが入りました。『急ぎの用だったら困るから、教えてあげなきゃ』と思ってなんの気なしに開いてしまったんです。するとメールの主は女性で、なんとデートの待ち合わせの相談でした。
でも、本当にショックだったのはその後。夫を問い詰めると、その女性は親に反対されて結婚がかなわなかった、かつての交際相手だったんです。だとしたら、私との結婚そのものが、私に対する裏切り行為。夫は泣いて謝罪し、女性ともすぐに別れたけれど、今も気持ちは晴れません」
浮気するだけでも充分な裏切り行為だが、それがバレたときに追い打ちをかける「懲役100年」ものの夫もいる。
「4年前、夫が10才年下の女性と浮気していたことが発覚しました。追及すると夫は『一緒に食事しただけだ』と開き直り、さらにこう言ったんです。『お前と一緒にご飯食べてもおいしくないから』って。これって、家族のために一生懸命食事を作っている、妻として母としての私を全否定する言葉ですよね? 経済的な不安もあるし、子供の養育費のこととかもあるので離婚はしませんでした。でも、夫のことはただの同居人だと思うようにしています」(38才・主婦・結婚10年目)
なぜこんな時に…というショックは憎しみを増幅させる。「怒りが殺意に変わった」というのは結婚17年目のB美さん(47才)だ。
「やっとできた初めての子供が生後半年の時に突然高熱を出した。真夜中で病院はあいていないし、夫の携帯にSOSの連絡をしても留守番電話に切り替わるだけ。気が動転して救急車を呼んで救急外来にかけこみました。幸い、子供はたいした病気ではありませんでしたが、夫が帰宅したのは翌日の朝。
その時は理由をごまかしていたものの、後で愛人の存在が発覚しその夜も愛人と一緒だったことがわかったんです。子供と私があんな大変な思いをしていた時に…。夫が能天気にテレビの前で寝ころがっている姿を見ると、今でもふと殺意がよみがえってきます」(47才・パート・結婚17年目)
B美さんは浮気の代償として、夫に毎年高級ブランド品を買わせているというが、「バッグを見るたびに浮気のことを思い出してしまい、かえって許せない気持ちになる。とはいえ何か罰を与え続けないと気がすまない」と言う。
※女性セブン2014年7月17日号