どんどん濃さを追求する流れがすすんできたラーメンだが、最近はあっさり系のシンプルな味で勝負する店も増え始め、人気を集めている。テレビ番組で「ラーメン女子大生」としてデビューし、年350杯にのぼるラーメンを食べ歩くラーメン評論家の本谷亜紀氏に厳選してもらった「あっさり旨いラーメン」から都心の3店舗を紹介しよう。
■中華そば しながわ(東京・要町)
住所:豊島区西池袋4-19-14
営業時間:11時半~15時半、17時~21時 ※夜の部は「稲庭中華そば」のみ提供
定休日:なし 席:9席
メニュー:中華そば(800円)ほか
比内地鶏の鶏ガラや山水地鶏をベースにゲンコツや豚足など動物系でコクを出し、カツオ、サバ、コンブなど数種類の魚介系を合わせたスープはさっぱりしつつも力強い味わい。店主の故郷である秋田県から老舗の天然醸造醤油や野菜を取り寄せるなど素材にこだわる。
「動物系の風味が強く出ているが、オイリーさは感じないのがポイント。こだわりの自家製麺はむちっとした歯ごたえ、弾力を楽しんでほしいです」(本谷さん)
■福の神食堂(東京・末広町)
住所:千代田区外神田3-4-1-101
営業時間:11時~21時(土祝は11時~20時)
定休日:日曜 席:12席
メニュー:中華そば(700円)ほか
2種類の鶏とカツオ、サバ、イワシなどの魚介系素材を合わせたスープはさっぱりしつつも旨味とコクが感じられる。タレの醤油は大豆の風味が豊かな小豆島産と甘みのある九州産をブレンド。北海道産小麦使用の細ストレート麺がよく合う。
「魚介と動物系のバランスが見事で、スープの透明度が高いのに旨味はしっかり。昔ながらの中華そばをブラッシュアップさせた印象です」(本谷さん)
■らぁ麺 やまぐち(東京・西早稲田)
住所:新宿区西早稲田2-11-13
営業時間:11時半~15時、17時半~21時(日祝は11時半~17時)※売り切れ次第終了
定休日:月曜(祝日の場合、火曜に振替) 席:13席
メニュー:鶏そば(780円)など
鶏の風味と香りが存分に味わえる。スープには清流若どり、吉備黄金鶏、比内地鶏の3種を使用。朝引きの生の鶏ガラを使うなど鮮度にこだわり豊かな風味を引き出す。タレには3年熟成の生醤油と丸大豆生醤油と丸大豆醤油をブレンドし、あっさりした中に醤油の香りが引き立つ。
「学生街で大人好みのラーメンを発信。鶏のスープの深みに驚かされます。葛風に仕立てた鶏チャーシューのプルプル食感が気に入っています」(本谷さん)
※SAPIO2014年7月号