プロ野球セ・パ交流戦を9勝15敗と大きく負け越した阪神。巨人、広島を追撃するはずが、終わってみれば広島と仲良く同率で交流戦最下位タイ。貯金をすべて吐き出す不甲斐ない戦いが続いている。
今年が3年契約の最終年となる和田豊監督にとっては、まさに正念場だが、すでに首筋は寒い。阪急阪神ホールディングスの株主総会(13日)では株主から集中砲火を浴び、味方のはずの南信男社長も、「確かにベンチの責任で負けているゲームもあります」と認めてしまう始末だ。すでに後任監督選びが始まったという情報まで出回っている。
「最有力候補は“ミスタータイガース”の掛布雅之氏(現・阪神GM付育成&打撃コーディネーター=DC)。ファンに人気の高い金本知憲氏や矢野燿大氏も候補に挙がったが、阪神には“監督はコーチ経験者でないとダメ”という暗黙のルールがあるので却下された。掛布氏は、最近は仕事をセーブしていて、それでも阪神絡みの仕事だけは増やしているという話もある。身辺を徐々に整えているようです」(球団関係者)
和田監督としては黙っていられない。7月に反転攻勢をかけるため、着手したのが「ベテランの再起用策」だ。ケガで抹消されていた西岡剛の復帰の目処が立ち、福留孝介も一軍復帰させた。もともと今年の構想には2人の名前が入っており、7月以降は和田監督が考える“ベストメンバー〟で臨むというわけである。しかしこれには裏の目的があると噂されている。在阪スポーツ紙記者が語る。
「メジャーから復帰して以来、ほとんど活躍していない福留の一軍復帰には、ファンからの猛烈な反発が予想される。それを押し切ってまで実行するのは責任転嫁できるからではないかといわれています。6月上旬に福留を二軍に落としたときに、掛布DCに再生を託した。これで一軍に上げて結果が出なければ、ある意味、掛布DCの責任にもできますからね」
本当にそんなセコイ起用法を考えているなら、阪神はお先真っ暗だ。
※週刊ポスト2014年7月11日号