東京湾岸署の前には、100名を越す報道陣が駆けつけた。覚せい剤取締法違反で逮捕されてから1か月半、ASKA被告(56才)がようやく保釈された。
東京地検により、すでに覚せい剤の所持、使用の両方の罪で起訴されており、これを受け、所属事務所はASKA被告との契約を解消。CHAGE and ASKAは事実上の解散となった。
事務所にも、相棒にも見捨てられたASKA被告。しかし、そんな彼に唯一手を差し伸べる人間が27年間連れ添った妻の洋子さん(59才)だった。
「逮捕後しばらく、洋子さんは目黒の自宅を離れ、ホテル暮らしをしていたんですが、6月上旬に帰ってきたんです。
時を同じく、それぞれ一人暮らしをしていた長男(26才)と長女(23才)も一緒に実家に帰ってきましてね…。
“親子3人で、ずっと夫の帰りを待ち続けます”って言っていました。固い決意を感じましたね」(洋子さんの知人)
実際、本誌も6月中旬のある日、洋子さんが長女と長男と一緒に、自宅から車で出かける姿を目撃している。洋子さんといえば、本誌6月12日号で報じたように、今年2月頃から、薬物中毒のASKA被告から壮絶なDVを受けていた。
「薬物使用に気づいた洋子さんが“お願いだからもうやめて!”とASKAさんに何度も懇願したんですが、そのたびに彼は激昂して、洋子さんに手を上げていたそうです。そのうち、彼女は長男にSOSを求めるようになって…。
長男は、洋子さんから電話があると慌てて実家に駆けつけ、暴れ回る父親を止めていたといいます。こんな地獄のような日常に耐えきれなくなった洋子さんは、長男に相談して、自ら警察に通報したんです」(前出・洋子さんの知人)
DVの苦悩に加え、みずから夫を警察に“売った”彼女が、なぜ離婚せずに夫を再び迎え入れる道を選べるのか。その理由のひとつが、長男の持つ“父への想い”だった。
「長男はインディーズバンドのギタリストをやっているのですが、そんな彼にギターや作曲など、音楽のイロハを教えたのは、ほかならぬASKAさんでした。
彼は、逮捕後に実家に帰って、ASKAさんの部屋の作曲ノートや古いギターを見た時、こみ上げてくるものがあったそうです。“あぁ、ここで親父と一緒にギター弾いて、一緒に歌ったなぁ…”って。彼は、友人たちの前でこう言っていたんです。“いろいろあるけど、やっぱりおれにとっての『音楽の神様』ってのは、親父なんだよ”って…」(長男の知人)
確かに、一度は父親に絶望した長男だが、それでも、もう一度父親の歌が聴きたいという想いもまた、誰よりも強かったのだ。
「“これから大変だけど、見捨てないで家族で支えよう”って、彼が母親の洋子さんと話し合ったそうです。洋子さんは、一家を不幸のドン底に突き落とした父親に対して、子供は憎しみしか抱いていないと思っていました。子供の気持ちが父親から離れているのであれば、離婚も仕方ない…。そう考えたこともあったそうです。
でも、そのわが子から、今なお父親を信じる言葉が出てきた…。洋子さんはそのことに心打たれ、家族一丸となってASKAさんを支える道を選んだんです」(前出・長男の知人)
※女性セブン2014年7月17日号