まもなく夏の土用の丑の日が来るが、一体「土用」とはなんなのか? 風水建築デザイナーのユミリーこと直居由美里さんが風水の観点から、土用の丑について解説する。
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7月といえば土用の丑。うなぎを食べる習慣は日本独自のものですが、背景にあるのは陰陽五行の思想です。
そもそも土用とは、季節の変わり目のこと。五行と四季は対応していて、春は木行、夏は火行、秋は金行、冬は水行です。土行の時期、すなわち土用は季節と季節の間。7月だけでなく、1月、4月、10月の年4回、それぞれ18日間あります。
土用は、季節の要素が混ざり合った一種のカオス状態です。土用に土いじりをしてはいけないといわれますが、土は生命を生み出す一方で、使命を終えたものを土に還す作用があります。つまり生と死の相反する作用を司るため、不用意に土に触ることはタブーとされてきたのです。
7月(未月)は暦の上で夏と秋の変わり目です。未月が終わるのは立秋の8月7日頃です。
夏の暑さ(火行)を早く終わらせるために、未月の対極にある丑月(1月)のシンボルである牛肉を食べるといいわけですが、明治維新前の日本では、肉食がタブー視されていたこともあり、牛を食べる習慣はありませんでした。そこで、丑と同じ「ウ」のつく食べ物であるうなぎを食べることが奨励されたのです。梅干しやうどん、瓜も「ウ」がつくので土用に食べる地方もあります。
十二支は12か月だけでなく方位にも対応します。未月(7月)と申月(8月)の方位は南西。裏鬼門の方位です。
一方の鬼門は丑月(1月)と寅月(2月)。冬から春への切り替わりであり、立春の前日の節分に豆を撒かれる鬼は牛のような角をはやし、虎柄のパンツを身につけています。
鬼門、裏鬼門が恐れられるのは、大きな変化のタイミングだから。鬼門が「枝門」とも書かれるのは、運気の分岐点だからです。
これまで順調な運気で何もかもうまくいっているという人にとって鬼門・裏鬼門は要注意です。鬼門は明確な変化ですが、裏鬼門は知らず知らずのうちに忍び寄る変化なので、裏鬼門のほうが対応の遅れによるダメージが大きいという説もあります。
運気が低迷し、何をしてもうまくいかないという人にとっては、裏鬼門は一発逆転を迎える大きなチャンスです。
今年の7月の土用は、7月20日から8月6日までの18日間。この期間の具体的な開運法としては、まず健康管理。消化のいいものを食べて夏バテを予防しましょう。土用が明けた立秋の8月7日からは五行の金行の季節。運気が切り替わり、金運や交際運が活発になりますから、スムーズに流れに乗れるように体調を整えておくことが大切です。
※女性セブン2014年7月17日号