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安倍氏 首相在任期間通算10年の最長不倒記録を目指してる説

 この秋、安倍晋三政権には多くの試練が待ち受けている。消費税増税不況で景気は大きく落ち込み、10月下旬に発表される経済指標(7~9月期分)次第でアベノミクス失速がはっきりすれば株価は一気に急落しかねない。そのうえ、消費税10%への引き上げの決断も迫られる。

 首相が力を入れる安全保障でも、米軍普天間飛行場移設の成否がかかる沖縄県知事選(11月16日投票)は、「党の調査でも仲井真弘多(なかいま・ひろかず)知事の対抗馬として出馬が濃厚な移設反対派の翁長雄志(おなが・たけし)現那覇市長が優勢」(自民党選対幹部)という悲観的な情勢だ。

 経済が失速、安全保障でも対米公約の普天間移設が頓挫となれば、安倍路線の失敗が次第に明らかになる。

「その前に積極的に勝負をかける。今の野党の体たらくなら、10月解散・11月総選挙であれば負けることはない。総理が日朝交渉を急いでいるのも、秋口までに北朝鮮訪問を実現させ、支持率を一気にアップしたうえで解散に踏み切るための布石と考えていい」(安倍側近議員)

 背景にあるのは長期政権への野望だ。そのためには年内解散に打って出ることも辞さないという。選挙に勝利すれば安倍首相の功績となり、来年の総裁選での再選はまず確実。2018年まで総裁任期が与えられる。そうなれば2期6年(第1次安倍政権時から通算7年)は総理の座が約束される。

 それだけではない。政治ジャーナリストの野上忠興氏はこう分析する。

「安倍首相にはその後、総裁任期を延長してもう1期3年、東京五輪後の2021年まで総理・総裁をやりたいという野望がある。在任期間が通算10年という最長不倒記録を目指しているのではないか。総理周辺も“半永久政権”と舞い上がっている。

 しかし、支持率がじり貧になってからでは解散は打てない。国民にはいま選挙しなければならない理由はないのに、首相はメッキが剥がれる前にやりたいわけです」

※週刊ポスト2014年7月18日号

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