安倍晋三首相は、「指導的立場の女性の割合を2020年までに3割に引き上げる」という目標を繰り返してきた。近々予定されている内閣改造にあてはめれば、大臣枠18人うち女性閣僚は5~6人になってもおかしくない。
現在の女性閣僚、森雅子・消費者担当相と稲田朋美・行革担当相の2人は交代が有力で、小渕優子・衆院文部科学委員長(当選5回)や高市早苗・政調会長(当選6回)の名前が内閣入り候補として挙がっている。
このほか、名前が挙がるのは同じ党三役で高市氏のライバル、野田聖子・総務会長(当選7回)と「マダム回転寿司」こと小池百合子・元防衛相(当選7回)。が、2人とも今回の入閣は期待薄とみられる。
野田氏の場合、「政権に批判的な古賀誠・元幹事長ら長老グループには、野田さんを反安倍の旗印にして来年の総裁選に担ごうという計画がある。入閣の声はかからないだろう」(宏池会所属議員)という状況。
一方の小池氏も「総裁選では石破幹事長を応援した。政権を取り仕切る菅義偉・官房長官が『小池を陽の当たるポストに就けるのは目立ちすぎて危険』と警戒しているから入閣はない」(安倍側近議員)とみられている。
そうなるとベテラン組では適任者が足りないため、浮上しているのが丸川珠代・参院議員(当選2回)だ。
「いわゆる入閣適齢期は衆院5期、参院3期といわれますが、稲田氏は衆院当選3回、森氏は参院当選1回で入閣した。知名度の高い丸川氏の起用は話題になると考えられる」(有馬氏)
当の丸川氏もそれを意識してか、「安倍総理を命がけでお支えします」とフェイスブックに書き込んだかと思うと、政界入りのきっかけは女子アナ時代に安倍氏との勉強会に参加したことだと公言。
昨年の参院選前にはブログに「私から見た安倍総理は、相手がだれであろうと心を砕き、少しも偉ぶることなく思いを語る素直な心持ちと、現実的な判断を見失わない、しなやかなしたたかさを持ち合わせた方です」とまで持ち上げた。「褒められるのが大好き」といわれる安倍首相が喜ばないはずがない。
※週刊ポスト2014年7月18日号