ビールのおつまみというと、ソーセージや餃子など脂っぽく味が濃いものや、枝豆や冷や奴のような定番の品に落ち着きがちだ。だが、ビールが美味しい暑い日は、脂が強いものは食べづらく、定番の品は飽きてしまって箸がすすまないことも。暑気あたりで疲れがたまった日でもビールもおつまみも美味しく楽しめる、ヘルシーで夏にぴったりな“刺身”を使った和食おつまみを提案したい。
料理研究家の冨田ただすけ氏に、旬の素材を使って15分で完成するビールに合う簡単和食レシピを、美味しく仕上げるコツとともに教えてもらった。
【青魚のごまみそたたき】
■材料(2人前)
□あじ、いわし、とびうおなどの青魚の刺身 … 100グラム
□細ねぎ … 1~2本
□大葉 … 2枚
□生姜 … 1/2かけ
□炒りごま(白) … 大さじ1/2
□味噌 … 小さじ2
□オリーブオイル … 小さじ1/2
(1)大葉、皮をむいた生姜は、5~6ミリ角程度のみじん切りにする。細ねぎは小口切りにする。
(2)刺身をまた板の上で軽くたたき、(1)の薬味野菜とごま、味噌を加えてさらにたた
く。
(3)最後にオリーブオイルを加えて軽くたたき混ぜる。
「最後にオリーブオイルを少し混ぜることで、滑らかに食べやすくなります。薬味たっぷりで食べるときは、ゴマを多めに入れても味のバランスが崩れません。刺身を冷たくしておくことと、刺身の形を残すようにたたき合わせるのが美味しく仕上げるコツです。青魚が苦手な人でも、脂が少なく癖も少ないアジならば食べやすいと思います。材料を切って混ぜるだけなので男性でも簡単につくれますし、好きな味だと思いますよ。
食欲がないときは、香りがよいもの、口の中がさっぱりするものは食べすすめやすくなります。夏バテ対策としてよく名前があがるウナギや豚肉には疲れをとる効果があるビタミンB1が豊富ですが、ゴマにもたくさん含まれています。暑い夏にはあっさりしたものばかり食べて栄養が偏りがちですが、この一品でタンパク質をとりつつゴマで疲労回復もできる、簡単で便利なおつまみです」(前出・冨田さん)
美味しい和食おつまみが用意できたら、ビールも和食向けを選びたい。サントリー和膳は和食の「合わせだし」をヒントに5種類の麦芽を使用した独自製法で口当たりが柔らかく、特に刺身に合うと評判だ。
「普通のビールには揚げ物など脂を使った料理が合いますが、和食に脂は少ない。また、苦味が強く残るビールでは和食の味と香りを感じづらく、すべてビールの味になってしまう。でも、同じビールでも和膳は口の中で苦味や華やかな香りがすうっと通り過ぎるので、魚そのものの香りや薬味の香りを感じやすい。刺身には、和膳のようにやさしい味のビールが合いますね」(前出・冨田さん)
今年の夏は、ビールとおつまみを上手に活用して暑さを乗り越えよう。