日本代表が1勝もできないまま予選リーグで敗退した、サッカーワールドカップ・ブラジル大会。選手たちの健闘を称える声もあるが、国民としてはやはり日本代表が世界で活躍する姿を見たいものである。ワールドカップで消化不良を起こし、勝利に飢えてしまっている人も多いのではないか。そんな憂さ晴らしを……というわけではないが、世界で圧倒的な強さを誇る“最強の日本人”たちを紹介していこう。
故障者リスト入りしたものの、ニューヨーク・ヤンキースの田中将大選手や女子レスリングの吉田沙保里選手以外にも世界で勝ちまくる日本人はたくさんいる。
まず注目したいのが、車いすテニスで無敵の強さを誇っているのが国枝慎吾選手。国枝選手は9歳の時に脊髄腫瘍により車いす生活となったが、11歳でテニスを始めて才能を開花させた。これまで全豪オープン、全仏オープン、ウィンブルドン、全米オープンの4大大会でシングルス優勝19回、パラリンピックも2連覇している。
また、4大大会をすべて制することを「グランドスラム」というが、今年は3大会連続で優勝中。残りの全米オープンで優勝すれば、3度目のグランドスラム達成となる。2020年の東京オリンピック・パラリンピックの招致アンバサダーでもある国枝選手は、ドキュメンタリー番組『Crossroad(クロスロード)』(テレビ東京7月12日 22時30分~)で特集されるなど、現在注目を集めている。
お次はチアリーディングの日本代表チーム。チアといえば他スポーツの応援で活躍するというイメージがあるが競技として世界選手権も開催されており、現在、日本チームは女子が7連覇、男女混成が4連覇中だ。
特に女子はこれまで行われたすべての世界選手権(7回)で優勝している。2013年には2位のドイツ(総合得点346.0点)、3位のロシア(311.0点)をまったく寄せ付けない519.0点で優勝を果たしている。点差だけ見ても、その圧倒的な強さが理解できよう。ちなみに、世界選手権は2年に1度で、次回の開催は来年だ。
さらに、体操・男子ゆかの白井健三選手だ。昨年の世界王者である彼は、17歳の高校生。今年7月に行われた全日本種目別選手権では、大会3週間前に足をねん挫し、全治6週間の診断を受けたのにもかかわらず床で優勝。今年も世界選手権の出場権を手にした。
得意技は「シライ」「シライ2」と自身の名前が冠された宙返りしながらのひねり技。すでにスポーツ新聞では、“ひねり王子”とのニックネームもついてている。まだまだ若いということもあり、これからどれだけ世界で勝利を重ねるか楽しみだ。日本スポーツ界の“次世代スター”最右翼である。
最後に紹介するのは、両手足で走る「四足走行」という変わった競技。競技を考案したのは猿の走り方に憧れて独学で走行を極めた、いとうけんいち選手である。
いとう選手は昨年初めて自身で世界大会を主催し、100m16.87秒の世界記録で優勝した“四足最速の人類”だ。どれだけすごいのか少し分かりにくいが、試しに四足で走ってみれば、いとう選手がどれだけ速いのか想像しやすいだろう(外で試す場合は職務質問に気をつけてほしい)。
ちなみに近年は年間1秒ずつ記録を更新しているため、東京オリンピック開催時には100mを9秒台で走れる計算なのだとか。今年11月13日には再び世界大会を開催予定。現在参加表明したのは7人で、ブログにて「挑戦者求む!!」と呼び掛けている。
まだまだ探せばたくさん出てくる“最強の日本人”たち。ワールドカップの結果に納得できないサポーターは他のスポーツにも目を向ければ溜飲が下がるかもしれない。