開演時間が近づき、会場の照明が消されると、どこからともなく“拓郎コール”が巻き起こり、集まった約1800人の観客は総立ちとなった。
2年ぶりとなるツアーのステージに上がった吉田拓郎(68才)は、以前に比べて痩せて、声量も落ちてはいたが、「肺がんだったことを忘れるぐらい元気です」と自ら宣言。そして、2時間半にわたり、全22曲を熱唱した。
2009年、NHK-BSの復活特番を最後に、テレビ出演をやめた拓郎。唯一、ファンと繋がっていたのがTHE ALFEEの坂崎幸之助(60才)とともにパーソナリティーを務めていたラジオ番組だった。しかし、昨年9月、4年間続けてきた、そのラジオを降板。一切のメディアから姿を消した。あまりに突然の番組降板に、ファンの間からは彼の体調を心配する声が数多くあがっていた。
なぜなら、拓郎は2003年4月の肺がんの手術を皮切りに、2007年には「更年期障害、ストレス、うつ病への入り口」をブログで告白、同年の夏ツアーもぜんそく性気管支炎と胸膜炎のために中止し、さらに、2009年の『最後の全国ツアー』も慢性気管支炎で中止するなど、常に病気と隣り合わせの生活を送っていたからだ。
そのため、一部のファンの間では、「がんの再発」の声もあがっていただけに、元気な拓郎の姿を見て安堵したファンも多いことだろう。音楽関係者はこのように語る。
「ラジオ番組降板の理由は、体調不良ではなく、“ツアーに万全の状態で臨みたい”という拓郎さんの強い希望があったそうです。降板後はボイストレーニングや、体力作りに励んでいたそうですよ」
こうして迎えた今回のツアー。無事、初日のステージを終えた拓郎は、都内にある行きつけの高級焼き肉店を訪れていた。そして、そんな彼の隣には、妻・森下愛子(56才)の姿があった。彼女もまた女優としての活動をセーブしていた。
「ここ数年、森下さんは、病気と闘いながらも、ツアーに向けて頑張っている拓郎さんをサポートするため、専業主婦状態になっていたんです。自分のことよりも、拓郎さんのために生きている感じですね」(前出・音楽関係者)
外食が嫌いなはずの彼が、森下を誘ってのディナーだった。前出の音楽関係者は夫婦の関係を語る。
「夫婦揃っての久しぶりの外食だったようですよ。2年ぶりのツアー初日という記念すべき日に、いつも自分を献身的に支えてくれる森下さんに感謝の気持ちを込めて、拓郎さんは外食にしたんだと思います」
この高級ディナーは吉田の森下への愛情の表れだったのではないだろうか。
※女性セブン2014年7月24日号