動画投稿サイト「YouTube」での再生回数が500万回超え。世界中の人々を唖然呆然とさせた「号泣絶叫会見」の野々村竜太郎・兵庫県議は7月11日、辞職願を提出し、即日受理された。
野々村氏の嗚咽のインパクトが大きすぎたため世間ではそればかりが注目されているが、問題の本質はそこではない。彼が追及された「政務活動費」の不正支出疑惑の根は深い。改めて野々村氏の政務活動費を精査すると、不自然な支出のオンパレードだ。
1年間に日帰り出張を195回、約300万円。3年間で345回分の交通費としてトータル800万円を受け取った。切手購入代250万円は、宛名も内訳もない金券ショップの領収証が添付されていた。自宅近くのスーパーで1000円未満の少額の買い物の繰り返し。家電量販店でアンプやパソコン、プロジェクターなど一度に80万円分を大人買い……。
なかには、大雨が降って特急列車が運休している日に特急のグリーン車で出張していることになっていたり、兵庫の城崎温泉に出かけたはずの日に大阪や神戸で切手を買っていたりするなど、明らかな矛盾も散見された。
不審に思った議会事務局が本人に再三説明を求めていたが、それを無視して続けてきたというから、野々村氏が相当図太い人物であったことは確かなようだ。
※週刊ポスト2014年7月25日・8月1日号