いじめられっ子だったことや、借金100億円を抱えたこと、脱税で告発されたことなど、波瀾万丈な人生を赤裸々に語った著書『筋と義理を通せば人生はうまくいく』(宝島社)を出版した、高須クリニックの高須克弥院長(69才)。日本を代表する美容外科医の1人だが、実はご自身は美人が好きなわけではないという。一体どういうことなのか? 高須院長がその真実を明かす。
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ぼく自身は、ブスが好き。なぜなら、“美人は秀才、ブスは天才”だからです。
美人は全体の偏差値の高い秀才、ブスは一芸に秀でた天才ですよ。美人を10人集めてひとつの顔に合成すると、平凡な美人にしかならない。でも、ブスっていうのは全体ではブスだけど、目だけはきれい、肌だけは美しいといったどこかしら抜きん出たところを持っている。それを10人集めて合成すると、絶世の美女ができるんだから(笑い)。それに、内面を磨いているブスのほうが話していて楽しいもの。
クリニックを訪ねてくる患者さんは、圧倒的に美人が多い。たとえるなら、美容整形クリニックは予備校なんですよ。美と若さに自信がある人が、もっと向上したい、といって来るんです。並の美人では嫌という人がね。予備校に落ちこぼれは行かない、もっと上を目指す人が行くでしょ、それと同じです。
韓国でひところ話題になった扇風機おばさんも例外ではないでしょう。もともとの美人が、美に貪欲なあまり、整形を繰り返して、失敗してしまった。ぼくが日本での再生手術を行い、つぶれていた目も開くようになって、彼女も今はだいぶ見られる顔になってますよ。
かく言うぼく自身も、ほぼ全身を手術してます。額からうなじから、ボディーも(シャツをまくり上げてお腹を指さしながら)ほら、ここも、ここも。開業時から合計100回以上、ぼくは自分で自分の体にメスを入れてきました。だから、見かけは若いけど、中身はじじいだよ。
医師の中には、患者さんで実験しながら、だんだん腕を上げていくという人がいる。でも、そんなのとんでもないことですよ。料理人がお客相手に練習しますか? これから腕を上げてうまいものを作る、といってお金を取るのを許せますか? プロなら完璧な技術を習得してから患者さんの手術をしなきゃいけない。
そのために自分で開発した技術も、外国で学んだ施術も、まずは自分の体で試す。自分でできない自分への手術は息子や後輩の信頼できる医師たちに託して、手術台から指示を出しています。
多くの患者さんがぼくを信じ、頼ってくださるのも、自分で納得できない施術は決して他人に施さない、自分で責任を持てる施術しかしない──その姿勢が受け入れられているからだと思います。
※女性セブン2014年7月24日号