ネットでは日々様々な騒動が発生していますが、自称・ネットニュース編集者兼自称・PRプランナーで『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)や『ネットのバカ』(新潮新書)など、多数の著作を持つ中川淳一郎氏が、最近ネットで起きたトピックを紹介します。
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7月7日から8日にかけて、突如として「STAP細胞 小保方さん、再現実験に成功 論文発表後初めて」という記事がネット上で多数のアクセスをされ、あれよあれよという間に拡散されました。
この記事を掲載した産経新聞のサイトでは、アクセスランキングで2位に入るほど、多くの人に読まれました。
理化学研究所が7月1日から開始した、小保方晴子氏も招聘したSTAP細胞の存在を検証するための実験が早くも成功したのか! と思われ、多くの人が称賛の声を上げたのですね(7月10日時点)。
しかし実際は、この記事は今年3月6日に掲載された記事だったのです。小保方氏に対する疑惑が発生する前の記事が突如として復活し、記事の掲載日をチェックしない迂闊なかたがたによって「すごい!」「待ってました!」と称賛されたのでした。
ネットで何かを発言するに当たってはある程度の注意は必要なんですよね。最低限、「いつ」「誰が」発信した情報なのか? は吟味する必要があります。
産経新聞は結果的にとばっちりをくらった形になりますが、この手の騒動で私が覚えているのが、2010年の「ジョニー・デップ事故死騒動」です。これは、CNNをパクったニセサイトが2004年に公開したニセ記事なのですが、なぜか6年後にネットで拡散し、多くの人がデップの死を悼んだのでした。ネットにはニセ情報が多数あることを肝に銘じましょう。
※女性セブン2014年7月31日・8月7日号