国際情報

中国・習近平国家主席自ら「秘書道」語る裏に腐敗への警告も

 中国の習近平国家主席が1992年の福建省福州市のトップ時代に発表した秘書の心構えに関する論文が中国共産党機関発行の雑誌「秘書工作」に掲載され話題を呼んでいる。

「自分を誇示しない」「慎ましやかに」「身辺は清潔に」など、極めて常識的な内容だが、習氏が主導する腐敗撲滅キャンペーンで、大物幹部のほか、その幹部の秘書が多数逮捕されていることから、習氏自ら「秘書道」を説き、「虎の威を借る狐」ならぬ、「幹部の威光をかさにきて腐敗に身を染めるな」との警告とみられる。「中国共産党新聞網(ネット)」が報じた。

 秘書工作に発表された習氏の論文は「秘書の仕事の心構え──県政府幹部と胸襟を開いて話し合う」と題したもの。秘書に望むことは責任感が強く、仕事を効率的にやり、しかも水準が高いとの3点を挙げる。

 秘書に要求される基本的な条件については、清廉潔白であり、控えめで慎ましやか、勤勉であることの3点をあげている。とくに、最初の清廉潔白については「両袖にすがすがしい風が吹いていること」と説明している。「袖」は「袖の下」とも言って、賄賂を入れる場所とされていることから、「袖が軽い」ことから転じて、腐敗に染まっていないことを強調したものだ。

 最後に、秘書がやってはいけない5つの戒めに言及。権力を誇示しないことや自分の能力を誇大に自負しないこと。3つ目に感情的にならないこと。とくに、上司に感情的な不満をもち、組織の秘密を漏らすようなことがあってはならない。4番目はその逆に、自分を卑下しないこと。最後に上司の決定に従わず、自分勝手な行動を取らないこと。

 いずれも常識的なことだが、中国では地方でも中央の機関でも、共産党幹部の権力は大きく、ランクが高い幹部ほど忙しいことから、その秘書も大きな発言力を持つことになる。このため、幹部の威を借りて、腐敗に染まることも珍しくない。また、幹部の命令で、汚職の仲介をすることも珍しいことではない。

 とくに、いま習近平指導部では腐敗撲滅キャンペーンに力を入れており、党最高幹部だった周永康・元政治局常務委員が身柄を拘束されていると伝えられているが、同時に周氏の秘書だった7人の幹部も逮捕され処分を受けている。また、中国人民解放軍の制服組トップだった徐才厚・元中央軍事委員会副主席が党籍剥奪処分を受けたが、徐氏の秘書だった軍幹部も取り調べを受けているといわれている。

 このため、米国に拠点を置く中国情報専門の華字ニュースサイト「多維新聞網」は「党トップの習氏の1992年当時の論文が改めて発表されたのも、秘書に警告を発する狙いがあるのは間違いない」と指摘している。

関連キーワード

トピックス

不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《田中圭に永野芽郁との不倫報道》元タレント妻は失望…“自宅に他の女性を連れ込まれる”衝撃「もっとモテたい、遊びたい」と語った結婚エピソード
NEWSポストセブン
父親として愛する家族のために奮闘した大谷翔平(写真/Getty Images)
【出産休暇「わずか2日」のメジャー流計画出産】大谷翔平、育児や産後の生活は“義母頼み”となるジレンマ 長女の足の写真公開に「彼は変わった」と驚きの声
女性セブン
不倫報道のあった永野芽郁
《お泊まり報道の現場》永野芽郁が共演男性2人を招いた「4億円マンション」と田中圭とキム・ムジョン「来訪時にいた母親」との時間
NEWSポストセブン
春の園遊会に参加された愛子さま(2025年4月、東京・港区。撮影/JMPA)
《春の園遊会で初着物》愛子さま、母・雅子さまの園遊会デビュー時を思わせる水色の着物姿で可憐な着こなしを披露
NEWSポストセブン
不倫を報じられた田中圭と永野芽郁
《永野芽郁との手繋ぎツーショットが話題》田中圭の「酒癖」に心配の声、二日酔いで現場入り…会員制バーで芸能人とディープキス騒動の過去
NEWSポストセブン
春の園遊会に参加された天皇皇后両陛下(2025年4月、東京・港区。撮影/JMPA)
《春の園遊会ファッション》皇后雅子さま、選択率高めのイエロー系の着物をワントーンで着こなし落ち着いた雰囲気に 
NEWSポストセブン
田中圭と15歳年下の永野芽郁が“手つなぎ&お泊まり”報道がSNSで大きな話題に
《不倫報道・2人の距離感》永野芽郁、田中圭は「寝癖がヒドい」…語っていた意味深長な“毎朝のやりとり” 初共演時の親密さに再び注目集まる
NEWSポストセブン
週刊ポストに初登場した古畑奈和
【インタビュー】朝ドラ女優・古畑奈和が魅せた“大人すぎるグラビア”の舞台裏「きゅうりは生でいっちゃいます」
NEWSポストセブン
現在はアメリカで生活する元皇族の小室眞子さん(時事通信フォト)
《ゆったりすぎコートで話題》小室眞子さんに「マタニティコーデ?」との声 アメリカでの出産事情と“かかるお金”、そして“産後ケア”は…
NEWSポストセブン
逮捕された元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告(過去の公式サイトより)
「同僚に薬物混入」で逮捕・起訴された琉球放送の元女性アナウンサー、公式ブログで綴っていた“ポエム”の内容
週刊ポスト
2022年、公安部時代の増田美希子氏。(共同)
「警察庁で目を惹く華やかな “えんじ色ワンピ”で執務」増田美希子警視長(47)の知人らが証言する“本当の評判”と“高校時代ハイスペの萌芽”《福井県警本部長に内定》
NEWSポストセブン
悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン