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民間の年金保険より国の年金のほうが割がいい 権利放棄は損

 今後、受け取れる年金の金額が減ることが既定事実となりつつあるが、年金だけでは、老後に安定した生活を送れない。2013年の総務省「家計調査」によると、高齢夫婦世帯の1か月の年金収入は平均22万円程度なのに対し、出ていく収入は27万円。

 かといって、「年金なんて、どうせ破綻するから払うだけ損」というのは行きすぎた考えだ。ニッセイ基礎研究所年金総合リサーチセンター・中嶋邦夫主任研究員が言う。

「将来受け取れる国の年金と、民間の年金保険を比べると、国の年金のほうが断然割がいい。保険料を払わずに、もらう権利を放棄するのはとても損です」

“年金博士”として知られる社会保険労務士の北村庄吾さんも同じ考え。

「国の年金は、一生もらえる終身型。つまり、100才以上生きてもずっと受け取れます。民間の年金保険などは、受け取れる期間が決まったものが多い。いわば、“長生きするリスク”に備えている点で、国の年金はとても優れています」

 年金は積立金不足でいずれ破綻するのでは──という声も聞く。だが、これも完全な誤解。年金を支える柱は、そのときの現役世代が払う保険料や税金。積立金は、年金財政の“へそくり”にすぎないのだ。

 さらに、この保険料のほとんどは、会社員の給与から(強制的に)天引きされる形。報道されている『年金の未納』は、自営業者などに限った話で、会社員の場合、年金の未納は起こらず、年金がゼロになる可能性はほとんどない。

 たとえば、現在65才の女性の平均余命(あと何年生きられるか)は23年。88才まで生きる計算で、受け取れる年金総額は、国民年金だけで1800万円近く(満額の月額6万4400円で計算)。納める保険料の総額は720万円(年間18万円×40年)で、1800万円受け取れるのだから、2倍以上に増える計算になるのだ。

※女性セブン2014年7月31日・8月7日号

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