アイドル戦国時代と言われ始めてから、はや4年。女性アイドルブームも一段落した感があるが、その一方で毎年夏になると多くのアイドルフェスが行われ、ロックフェス同様に定番のイベントとなりつつある。
そんなアイドルフェスの元祖的存在が、お台場周辺で行われる『東京アイドルフェスティバル』(TOKYO IDOL FESTIVAL、通称TIF)だ。2010年にスタートしたTIFは、フジテレビ発のアイドルグループ・アイドリング!!!をホスト役として、有名無名問わず100組以上のアイドルが出演。今年は過去最高の134組が出演する(7月18日発表時点)。TIFを毎年取材しているという音楽ライターが説明する。
「ももクロがブレイクしたきっかけとなったのが、2010年の第1回TIFだったと言われていて、ネクストブレイクアイドルの青田買いの場にもなっています。その一方で、ひと度ブレイクしたアイドルは、もう出なくなってしまう傾向がありますね。ももクロは第2回以降出てませんし、その妹分でさいたまスーパーアリーナでの単独コンサートを成功させた私立恵比寿中学も2012年を最後に出演していません。
また、2011年以降毎年出ていた9nineは、同日開催の『ROCK IN JAPAN』のほうに出演します。さらに、これまで毎回出ていたSUPER☆GiRLSは握手会が入っていてTIFには出られないようですね。アイドルブームが一段落したということもあって、出演するメンツも徐々に変わっていき、ある意味過渡期に差し掛かったといえそうです」
そんなTIFだが、今年はつんく♂プロデュースのアイドル集団・ハロー!プロジェクトのスマイレージがスペシャルオープニングアクトとして出演する。
「毎年、TIFの開催日には、ハロー!プロジェクト全体のコンサートが行われていて、ハロプロ勢の出演は難しいと言われていました。しかし、今年は“スペシャルオープニングアクト”として、スマイレージが朝の9時35分から野外でライブをします。ハロプロのアイドルは、アイドル業界では老舗として特別扱いとなっているので、通常ならトリで出演するのですが、今回は異例中の異例。TIFの運営サイドの熱心な出演交渉が実ったということもあるでしょうし、スマイレージとしてもわざわざハロプロのコンサートの日の早朝に時間を作って出演するわけですから、かなり気合いが入っているでしょう。スマイレージは日本武道館での単独公演を成功させたばかりで、そのパフォーマンスの評価もグングン高まっていますし、アイドルファンであればTIFでの勇姿は絶対に見ておくべきですね」(前出・音楽ライター)
実は今回のTIFでは、スマイレージだけでなく、元モーニング娘。の田中れいな率いるガールズバンド・LoVendoЯ(ラベンダー)も出演。前出・アイドルライターは、LoVendoЯにも注目だという。
「田中れいなのアイドルオーラは卒業しても健在で、ほかの若手アイドルたちは圧倒されると思います。アイドルファンたちも、“やっぱりモーニング娘。はすげえ”って思うはずですよ。
そして、田中れいなと同様に注目なのが、ギター担当の宮澤茉凜(みやざわまりん)です。ごく一部では“美しすぎるギタリスト”などと呼ばれるほどの美貌の持ち主で、ハロプロファンの間では“モーニング娘。の新メンバーとして採用すべき”などと言われることもあります。ギタリストとしては発展途上ですが、ハードロック好きで本格志向というのもポイントが高い。要注目です」
これまであまりアイドルフェスには参加していなかったハロプロ勢の参戦で、今までとは違った盛り上がりを見せるであろう今年のTIF。一段落したと言われるアイドルブームへの、大きなカンフル剤にもなりそうだ。