東日本大震災の被災地、宮城県石巻市出身の人々が集える「復興バー」が7月19日まで東京・銀座で展開されました。このバーに通った石巻出身のコラムニスト木村和久さんが、石巻で今起こっていることをレポートします。
「復興バー」は元々石巻の若者が集うバーで、「一般社団法人ISHINOMAKI 2.0」という団体が運営します。彼らはほかにも様々な活動をしているようです。
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「ISHINOMAKI 2.0」が運営している、今春オープンしたばかりの石巻初のシェアハウス「SHARED HOUSE八十八夜」を覗いてみることにしました。今流行りのシェアハウス、ひょっとして何かトキメクことが起きるかも~って思うでしょう。残念ながらそれはドラマの中の出来事で、石巻のシェアハウスは、もっと実用的ですよ。
そもそもなんでシェアハウスかというと、以前この組織で宿泊所を営業していたのですが、同業者が増えてしまったのです。復興景気でコンテナ式の簡易ホテルがあちこちにできて、乱立状態となりました。一度泊まったことがあるのですが、案外普通のホテルと変わらない便利さに驚いたものです。
そんな状況で、宿泊施設はもう充分だというので、じゃあ長期滞在者向けに、格安のシェアハウスをやってみようとなったわけです。
場所は石巻のメインストリート、立町通りにありますが、今はシャッター通り化しているので、ちょっと寂しいかもしれません。でも駅に近く、夜も静かなので、ぐっすり眠れます。
表通り側はお茶屋さんで、その2階部分がシェアハウス。だから茶摘みにちなんで、八十八夜という名前にしたそうです。以前オーナーが住んでいた部屋を改造して、6畳の和室は月3万円(2室)、ドミトリー方式の2段ベッドが5つある12畳の部屋は、一人月1万5000円で貸し出しています。和室はすでに満室で見られませんでしたが、ドミトリー部分は共用スペースがたっぷりで、居心地が良さそうです。
石巻の復興関係者、特にボランティア関係者に人気で、お金の心配なく長期間、滞在できるのがメリットです。
※女性セブン2014年7月31日・8月7日号