これまでに訪問した現場の軒数は3000軒。住まいの悩みを解決する「片付けの伝道師」として、『ソロモン流』(テレビ東京系)にも紹介された空間プロデューサーの安東英子さん。安東さんの手にかかると「ゴミ屋敷」があっと驚くキレイな家に変身する。その手順はどのようなものなのだろうか。安東さんに聞いた。
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私の片付けは決して難しくありません。手順の基礎となっているのは“見えないところから片付ける”です。片付けというと、誰もがリビングや玄関など、人目につく場所だけをきれいにしようとします。確かに、多くの収納本ではそこを強調してきれいにしています。しかし、リビングの物を個室に移しても、根本からは解決しません。なぜなら、家の中の物量は変わっていないからです。
載積オーバーの物を最初に処分するのは、物置や納戸、押し入れから。ここには長年入れっぱなしの不要品がたんまり! だからこそ、そこを最初に片付けると、収納の場所ができるのです。“開かずの間”がなくなると、それだけで気分がよくなり、片付け下手のハードルを1つ越えた達成感が得られます。
その積み重ねで片付けていくのですが、片付ける場所には順番があることを忘れないでください。
もう1つのポイントは、作業を始める前に“仕分け箱”をリビングに用意すること。
仕分け箱とは、各部屋を片付けると出てくる、文房具や写真、CDなどを同じ種類ごとに分けてまとめる箱。仕分け袋でもかまいません。まずは、いる・いらないにかかわらずこれに分類すると、持っているものの数がわかります。と同時に、いかに無駄なものがあるかが自覚でき、捨てる物もわかります。私が依頼を受けたある家では、ホチキスが7個も出てきたことがありました。
この手順に沿って片付けると、棚や引き出しから物がはみ出ることがなくなります。家中を片付けるのですから、1日や2日では終わりません。無理のない程度に片付けを進めていきましょう。ただし「これくらいでいいや」とか「続きはまた今度」と中途半端でやめるのは禁物。それでは元の木阿弥です。
家が片付いていると、家族の精神状態がよくなり、今まで以上に家族の絆が強くなります。そうなれば片付けが楽しくなること間違いなし! そのお手伝いができることは、この上ない幸せです。
※女性セブン2014年7月31日・8月7日号