「運動開始から20分以上たたないと脂肪は燃焼されず、ダイエットに有効な有酸素運動とならない」という説がある。
20分以上動かないと効果が出ないとなると、忙しい主婦や、運動からしばらく遠ざかっていた人にとってはハードルが高いが…。
「20分以上の連続運動をしなくても脂肪は燃焼されます」と語るのは、国立健康・栄養研究所、基礎栄養研究部部長の田中茂穂さんだ。
「実は、20年ほど前から、国際的には、連続的な運動と断続的な運動を比較した場合、合計運動時間が同じであれば、エネルギーの消費量に差はない、という研究結果が出ています」と田中さんは語る。
20分以上の有酸素運動をしたり、フルマラソンを走ったりしたのにもかかわらず、太ってしまう、という声が巷にはあるが、その理由も明快だという。
運動するときに使うエネルギーには、脂肪と糖質があるが、例えば体重が60㎏で体脂肪率が25%の場合、脂肪は約15kg、糖質は400~500gほどになる。
「糖質は、高強度な運動や長時間の運動でエネルギーとして利用されやすく、体に蓄えがなくなりやすい。フルマラソンを走ったら即なくなってしまうくらいで、枯渇すると疲れて動けなくなり、それを補給するため、食欲が増進してしまいます」(田中さん)
なるほど、激しい運動をするとその後、いつも以上に食べたくなるのは、消えた糖質のしわざだったのだ。
※女性セブン2014年7月31日・8月7日号