DV・ストーカー被害者をサポートする一般社団法人「エープラス」の吉祥眞佐緒さんは、「若者がストーカーになるリスクが高まっている」と言う。
「今はスマホが普及して、親や教師に気づかれずに相手を束縛できる時代です。加害者の親からも、『普段、温厚な息子がスマホに向かって激しい剣幕で怒鳴るようになった』、『息子が交際相手にケガをさせて突然停学になった』という相談が増えています。
親がストーカーの加害行為に気づくことは非常に難しいですが、普段から何でも話せるような関係を作っておけば、ちょっとした様子の変化も見抜けるはずです。子供は親の背中を見て育つので、家庭で親が暴力をふるったり怒鳴ったりする姿を見せるべきではありません」(吉祥さん)
DV・ストーカー加害者更生プログラムを行うNPO「女性・人権支援センター ステップ」理事長の栗原加代美さんも「親の育て方がカギになる」と指摘する。
「ストーカーになるには生育歴が影響すると考えられます。こちらに相談に来るストーカーの多くは生育期に両親から愛されておらず、幼い頃に虐待された傷がトラウマになっている。両親から“見捨てられる不安”があると恋人を失うことがとても怖く、どうにかして取り戻したいと考えます。
一方で親が子供の言うことを何でも叶えていると、自己中心的な人間になる。何でも自分中心に回らないと気がすまず、思うようにならないことに怒りを覚える。恋人を自分の所有物と考え、『勝手なことをするな!』と怒りが増幅していく。愛情を注ぎつつ、適度な距離感のある子育てが大切です」(栗原さん)
※女性セブン2014年7月31日・8月7日号