一時期どれだけ多くテレビに出演していても、急に姿を消すタレントは少なくない。そうした中、「仕事がない」と言い続けながらも、タレントとしてしぶとく生き長らえているのが、せんだみつおだ。
最近めっきりテレビで姿を見られなかったせんだは、7月5日の『メレンゲの気持ち』(日本テレビ系)に出演し、『ナハナハ!』など往年のギャグを連発。ブランクを感じさせない軽快なしゃべりで、それなりにスタジオの笑いを取った。芸能記者が話す。
「忘れられたころに出てきても、きちんと笑いを取れる。テレビに出ていないだけで、営業は相当な本数が入っているので、話術は衰えません。スケジュール帳が真っ黒になるほど、実際は忙しい人です」
この日、『メレンゲの気持ち』は視聴率7.9%で、同時間帯1位を獲得。せんだ出演効果なのだろうか。テレビ局関係者が話す。
「基本的に毎週、横並びでトップですからねえ。せんださんのおかげとは言えないでしょう。しかも、2ケタ取る週もあるし、通常は9%前後に乗せるので、むしろ低いほうです(笑)。
ただこの日は、テレビ朝日系『法医学教室の事件ファイル』7.8%、フジテレビ系『ぶらぶらサタデー 有吉くんの正直さんぽ』7.7%、TBS系『王様のブランチ』7.6%と、わずか0.4%のあいだに4番組がひしめき合う異常事態。その僅差のなかで、『メレンゲの気持ち』が同時間帯1位を取ったのです。
視聴率に、せんださんのしぶとさが現れてましたね(笑)。ギリギリの状態ながらも、辛うじて生き残る。せんださんの芸能人生そのものです。かれこれ30年近く、『仕事がない』をネタに食ってきている人ですからね」
1970年代後半、せんだは『うわさのチャンネル!!』(日本テレビ系)、『ぎんざNOW!』といった高視聴率番組に出演し、高い人気を誇る芸人だった。だが、病に襲われて入院しているあいだに、漫才ブームが到来。退院したころには、『浦島太郎』状態で、そのまま人気も下降していったようだ。
とはいえ普通の芸人なら、そのまま芸能界からフェードアウトしてしまうケースが多いが、せんだはみずからの状況をネタにし、生き残ってきた。有吉弘行や坂上忍といった、リバイバル芸能人が冠番組を持つようになった昨今、せんだの復活も十分にありえるのではないだろうか。前出・芸能記者が話す。
「いや、それは難しいと思います」
仕事は維持すつつも「大ブレイク」といったところにはないというのが同氏の見立てのようだ。