7月18日、宮内庁は皇太子一家の7月28日、29日の伊勢参拝を発表した。「関係者一同、みな胸をなでおろした」と宮内庁関係者は本音を明かす。
「天皇皇后両陛下の場合は1か月以上前に発表されるのが通常ですが、今回は予定日10日前と差し迫っての発表となりました。正式発表3日前に心配される出来事があり、もしやという懸念もあったのでハラハラしていた」
「3日前の出来事」とは、7月15日の皇太子一家による昭和天皇の武蔵野陵と香淳皇后の武蔵野東陵の参拝である。
昭和天皇の陵に向かう際、皇太子一家が横一列に並び深く一礼した後のことだった。皇太子が最初に歩き出すと、愛子内親王がそれに続いて一歩を踏み出した。すると雅子妃は愛子内親王の耳元に顔を寄せて何かを告げた。愛子内親王は少し慌てた様子で雅子妃の後ろに回った。
「皇太子殿下の後に雅子さまが続くはずが、愛子さまが先に歩き出して雅子さまの前に出られてしまった。参拝前の説明が不足していて、手順を間違って戸惑われたのでしょう。その後、愛子さまは表情を曇らせたように見えました」(皇室記者)
武蔵野陵参拝は愛子内親王にとって初めて、雅子妃にとっては12年ぶりだった。しかも「参拝は月末に控えた伊勢参拝の予行演習的な意味を持っていた」(前出・宮内庁関係者)だけに、関係者に不安が広がった。
「雅子さまの晴れやかな表情が印象的だったので、愛子さまの戸惑いが余計に強く感じられました。そのため、今回のことで愛子さまの伊勢神宮参拝へのお気持ちが後ろ向きになってしまったのではないかと不安視されたのです。
そもそも伊勢参拝は雅子さまの体調はもちろんですが、愛子さまの気持ちで実現が大きく左右されるという面があった。皇太子殿下は一家揃っての参拝を強く希望され、雅子さまや愛子さまの同行が難しければ改めて別の日程を組むというお考えでしたから、内定していた伊勢参拝が白紙に戻る事態も考えられた」(前出・宮内庁関係者)
雅子妃と愛子内親王にとって、公の場での行事に対する重圧は大きいといわれる。前出の皇室記者がこう語る。
「7月13日に行なわれた天皇陛下の傘寿のお祝いの席でも、愛子さまが職員に挨拶はおろかお辞儀もしなかったと報じられるなど、皇族としての振る舞いについて何かと物議を醸してきた。とくに愛子さまが中学校に進学されてからその流れは顕著で、雅子さまもご自身だけでなく娘までバッシングの対象になってしまいかねないことに神経をつかわれているようです」
だからこそ皇太子一家の伊勢参拝が正式発表されたことに関係者は安堵の声を漏らしたのである。
※週刊ポスト2014年8月8日号