7月28と29日の両日、伊勢神宮では一般参拝が制限される。皇太子一家の行啓(ぎょうけい)が正式に発表されたからだ。雅子妃にとって20年ぶり、愛子内親王にとって初めての伊勢参拝が実現することになるが、皇室の悲願ともいわれてきた皇太子一家の参拝をめぐり、雅子妃の苦悩は続いていた。
今回は皇太子一家が参拝する時間帯に合わせ、内宮は28日の午後3時~7時と29日の午前5時~午後3時40分、外宮は29日の午前8時~11時半の時間帯で一般参拝が停止される。ベテラン皇室ジャーナリストが語る。
「昨年3月に行なわれた秋篠宮ご一家の参拝時は一般参拝の制限はなく、秋篠宮ご夫妻と次女の佳子さま、そして初参拝となった悠仁さまと間近に接することができた。手を振られるご一家にあちこちから歓声が上がり、国民に近く、親しみ深い皇室の姿がありました。
今回は参拝者の多い夏休み中であることに加えて、雅子さまや愛子さまの体調への配慮という事情もあったとは思いますが、開かれた平成皇室の姿を国民が拝見する機会が設けられなかったことが残念です」
メディア取材に関しても、天皇・皇后、あるいは秋篠宮一家の参拝時よりも厳しく制限される。皇室記者が語る。
「今回、皇太子ご一家は初日(28日)に式年遷宮の資料を展示する『せんぐう館』を視察されますが、その際の取材・撮影が設定されませんでした。最も近い距離で撮影できるポイントで、今年3月の両陛下、昨年3月の秋篠宮ご一家のご参拝の際も撮影が許された。両陛下、秋篠宮家の取材と比べると明らかに制限が多いのです。
雅子さまや愛子さまのご負担を減らすという東宮職の配慮によるものと聞いていますが、記者会からも不満の声が上がっている」
配慮が無用な波紋も引き起こしている。29日に予定される外宮の参拝では、正殿前での撮影がなかったために、一部の記者から「外宮の参拝を省略されたのでは」という疑念が上がったのだ。
伊勢神宮広報課が「皇太子ご一家は内宮、外宮ともに御垣内参拝(みかきうちさんぱい)という正式なご参拝をされます」と説明するように、その疑問はあらぬ誤解だったとはいえ、宮内庁関係者は、「東宮職の過剰な配慮が、結果的に雅子さまや愛子さまへのバッシングを招いている面は否定できない」と語る。
※週刊ポスト2014年8月8日号