「進研ゼミ」などを運営するベネッセの顧客情報流出事件では「子供の情報」が「プラチナデータ」と呼ばれて高値で取引されている実態が明らかになった。名簿業者によれば、一般的に成人のデータは1件(1人)あたり20~30円での売買が相場だが、子供の場合は中学、高校、大学と長期にわたって使えることもあって5割増しの30~45円でもどんどん買い手がつくという。
さらに「年齢」も名簿の価値に関わってくる。子供はさておき、大人でも30代、40代より、50代以上の高齢者の名簿が人気を集めるという。名簿業者が語る。
「金融業者は50代以上の退職が近い人の名簿を求めてくる。退職金を見込んで、高額な保険や金融商品を売り込むためです。シニア世代の場合、大学の同窓会名簿は多く出回っているので価格はそれほど上がらないが、買い手はすぐにつきますね」
分類が詳細であればあるほど、名簿の価値も高まるという。
「投資目的のマンション所有者リスト、高額ゴルフ会員権保持者リストなどは希少価値がある。たとえば投資用マンションを持っている人のリストは、不動産業者にとって顧客予備軍となる可能性が高いため重宝される。これも価格はピンキリだが、総じて子供の情報より高値で出回っている」(同前)
※週刊ポスト2014年8月8日号