日朝協議が慌ただしく動く中、1人で独自の日朝外交を繰り広げる燃える闘魂、アントニオ猪木参院議員。
7月9~14日にも、平壌で開催される「国際プロレスリングフェスティバル」(8月30・31日。猪木氏が共同実行委員長)の準備のために訪朝した。実は猪木氏、水面下で北朝鮮から重大な依頼を受けていたという。日朝外交筋が明かす。
「猪木氏は金正恩第一書記から担当者を通じて“世界的スターの大物女性アーティストを北朝鮮に招きたい”という要望を受けたと聞いている。プロレスフェスに合わせてか、別の機会を設けるのかは不明だが、猪木氏はそのアーティストの訪朝と公演実現のために尽力したようだ」
金正恩兄弟のミーハーぶりはよく知られたところ。かつて長兄の正男は日本に極秘入国してディズニーランドを訪れた。次兄の正哲は世界的な人気ギタリスト、エリック・クラプトンのライブに何度も訪れたほどの大ファンで、在英北朝鮮大使館を通じ、平壌公演を打診したこともあった。
今年1月には米プロバスケットボールの元スター選手、デニス・ロッドマン氏が金正恩の要望で米チームを率いて訪朝している。
今回、猪木氏が招聘の依頼を受けた女性アーティストとは、何とポップスの女王・マドンナだという。
「猪木氏自身も“北朝鮮に大物ゲストとしてマドンナを連れて行く構想がある”と周囲に語っている。
北朝鮮側が最初に猪木氏にマドンナの招聘を打診したのは6月中旬。アメリカのショービジネス界でも知られている猪木氏ならばセッティングする力が十分にあると見たのだろう。依頼を受け、猪木氏は各方面に相談したらしい」(同前)
その功が奏したのか、北朝鮮側の担当者はマドンナにつながる音楽業界関係者と接触したという。ただ予想通りというべきか、交渉は難航しているらしい。
ちなみにデニス・ロッドマン氏はマドンナの元恋人。ロッドマン氏を通じて招聘を呼びかけたが叶わず、猪木氏に依頼したとの情報もある。
事務所を通じて猪木氏本人に尋ねると、「たしかにマドンナを呼ぶ話はあったが、立ち消えになった」とのことだった。西洋音楽の国内流布を禁じている北朝鮮政府だが、将軍様の趣味だけは例外のようだ。
※週刊ポスト2014年8月8日