ビジュアル系バンドといえば、コアなファン層を持つことで有名だが、そんなファンたちの憧れが、メンバーたちとの直接の交流だ。なかにはメンバーたちとの飲み会に参加しているファンもいるというが、そこはどんな空間で、どんな会話が行なわれているのだろうか。
実際に、週1回程度のペースでビジュアル系の飲み会に参加しているという女性、モモカさん(21歳)は次のように話す。
「私が顔を出しているビジュアル系飲み会の参加者は、大半がフリーター、女子大生、キャバ嬢、風俗嬢の子たちですね。そこには、1990年代末から活躍していて、海外公演もソールドアウトするような某有名バンドのベースの人も来ていますし、若手で2000人のライブハウスを埋めるくらいの勢いがあるバンドのメンバーもいますね。
飲み会の雰囲気は、一言で言えば、『こんなゲスな飲み会この世にあるんだ』っていう感じです。バンドマンはお金がないので女子も割り勘で支払いますし、平気で女子を『おいブス!』とか呼ぶ人もいる」(モモカさん)
また別のバンギャル(ビジュアル系バンドの女性ファン)のユリアさん(25歳)はこう語る。
「繋がっている(※直接連絡先を知っている)メンバーから『今どこ? 六本木いるから来いよ』みたいな感じで誘われて、深夜から朝方まで飲みます。早朝に持ち帰られる人もいれば、朝から喫茶店でぼーっとする人もいる。ファン同士も顔見知りが多いので、嫌いな女と鉢合わせてしまうこともあります。
ファンの中には、結構お金を稼いでいる女の子もいるので、飲み会で20歳くらいの若手バンドマンに『可愛いー!』と言い寄って貢ぎはじめる子もいます。基本的にカオスな空間ですね」(ユリアさん)
参加者がこぞって「カオス」と語る、ビジュアル系メンバーの飲み会。それでもファンにとっては、羨望の場所であることは間違いないようだ。