7月14日に初めて発表された「タイムシフト視聴率」(録画再生率)への反応は各テレビ局、テレビマンによって様々だ。反転攻勢のきっかけになり得るという声があがる一方で、バラエティや情報番組の制作現場から懸念が聞こえてくる。バラエティ番組を担当する制作会社スタッフがいう。
「そもそもバラエティや情報番組は高いタイムシフト視聴率は望めない。だからこそこれまで通り“表の視聴率”を取るべく作るしかないが、そのために地上デジタルの双方向機能を使ったクイズやプレゼント企画を乱発するばかりの番組が増えかねない。
また、ジブリ作品など超人気アニメの再放送などで安易にタイムシフト視聴率を狙うことが増え、クリエイティブな番組作りの枠がさらに減るかもしれない」
来年1月には、従来の視聴率と同様、タイムシフト視聴率も数日のタイムラグで確認できるようになる見込みという。この新たな指標がもたらすのは、テレビ番組の活性化か、それともさらなる地盤沈下か──。
※週刊ポスト2014年8月8日号